ミモザの花が咲く頃に
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“おちゃのこさいさい おかえんなさい!いちどはおいでよ ホテルしおさい! ”
時刻は22:00。
ミルクティーを飲みながら、なまえはバクフーンとのんびりテレビを見ていた。
そろそろバカンスの時期を迎えることもあって、テレビではアローラ特集をやっており、観光地や名産品などを紹介していた。
イリヤとレリアは、そろそろついた頃だろうか。
擦り寄ってきたバクフーンの頭を撫でながら、なまえは窓から輝く月を見上げた。
『バクフーンは甘えん坊ねえ』
なまえがそう言うと、バクフーンはさらに甘えるようにじゃれてきた。
なまえが10歳の誕生日を迎えた年、イリヤとレリアは、なまえをフィールドワークへと同行させるようになった。
シンオウのテンガン山へ調査に行った時に、なまえはこの地に生息しないはずのヒノアラシを見つけたのだ。
炎タイプとはいえ、吹雪が容赦なく襲い掛かる厳しい山の天候には敵わず、そのあまりの寒さにひどく衰弱していた。
なまえが保護したのをきっかけに、ヒノアラシはなまえに懐き、そのままパートナーとなった。
天性の才能なのか、高いバトルセンスを持ち合わせていることを見抜いたイリヤは、なまえとヒノアラシにトレーナーとしてのバトルの指導も行った。
そのおかげでバクフーンまで進化を遂げて強く成長したが、命の恩人であるなまえには甘える可愛らしい一面もある。
そんなバクフーンに、なまえも惜しみない愛情を注いでいた。
“さあ、次はアローラ名物、マラサダのご紹介でーす!!”
マラサダの紹介になると、バクフーンは食べたそうにテレビの画面を見つめた。
なまえがアローラに行ったのはずいぶん前だ。
それこそ、まだバクフーンがマグマラシだった頃。
マラサダはお土産に出来ただろうか。
可能であれば母に頼もうと思ったが、“やっぱり揚げたては最高!!”とレポーターが美味しそうに頬張っているのを見て、マラサダは現地で揚げたてを食べるのが一番だろうと思った。
今度行こうね、と優しく声をかけると、バクフーンは嬉しそうに鳴いた。
空になったティーカップを片付けようと立ち上がった時に、スマホロトムが着信を知らせた。
「もしもし、なまえ?」
電話の相手は父だった。
どうやら今やっとホテルに着いたらしい。
若干、声が疲れているような気がした。
朝一の船でこの時間となると、改めてアローラ地方は遠いのだということを実感する。
明日は朝早いから休むよ、と告げ、しっかり戸締りをして寝るんだよ、と念押しするように言うと、電話を切った。
イリヤもレリアもまめな性格で、出発する時や現地に着いたときは必ず連絡をしてきていた。
そのため、なまえもふたりのスケジュールをほぼ正確に把握していた。
今回は5日間、アローラ地方にてククイ博士夫妻と調査をしたあと、イリヤはガラルで開催されるスタートーナメントに、レリアはカロスのバトルシャトーで行われる大会にそれぞれゲストとして招かれている。
ふたりが戻ってくるまで、なまえはカイナシティでのんびり過ごす予定でいた。
港町であるカイナシティは朝市が行われる。
明日は少し早起きして、買い物にでも行ってみようか。
潮風が、窓を優しく叩く。
濃紺の空に、星が美しく輝いていた。
時刻は22:00。
ミルクティーを飲みながら、なまえはバクフーンとのんびりテレビを見ていた。
そろそろバカンスの時期を迎えることもあって、テレビではアローラ特集をやっており、観光地や名産品などを紹介していた。
イリヤとレリアは、そろそろついた頃だろうか。
擦り寄ってきたバクフーンの頭を撫でながら、なまえは窓から輝く月を見上げた。
『バクフーンは甘えん坊ねえ』
なまえがそう言うと、バクフーンはさらに甘えるようにじゃれてきた。
なまえが10歳の誕生日を迎えた年、イリヤとレリアは、なまえをフィールドワークへと同行させるようになった。
シンオウのテンガン山へ調査に行った時に、なまえはこの地に生息しないはずのヒノアラシを見つけたのだ。
炎タイプとはいえ、吹雪が容赦なく襲い掛かる厳しい山の天候には敵わず、そのあまりの寒さにひどく衰弱していた。
なまえが保護したのをきっかけに、ヒノアラシはなまえに懐き、そのままパートナーとなった。
天性の才能なのか、高いバトルセンスを持ち合わせていることを見抜いたイリヤは、なまえとヒノアラシにトレーナーとしてのバトルの指導も行った。
そのおかげでバクフーンまで進化を遂げて強く成長したが、命の恩人であるなまえには甘える可愛らしい一面もある。
そんなバクフーンに、なまえも惜しみない愛情を注いでいた。
“さあ、次はアローラ名物、マラサダのご紹介でーす!!”
マラサダの紹介になると、バクフーンは食べたそうにテレビの画面を見つめた。
なまえがアローラに行ったのはずいぶん前だ。
それこそ、まだバクフーンがマグマラシだった頃。
マラサダはお土産に出来ただろうか。
可能であれば母に頼もうと思ったが、“やっぱり揚げたては最高!!”とレポーターが美味しそうに頬張っているのを見て、マラサダは現地で揚げたてを食べるのが一番だろうと思った。
今度行こうね、と優しく声をかけると、バクフーンは嬉しそうに鳴いた。
空になったティーカップを片付けようと立ち上がった時に、スマホロトムが着信を知らせた。
「もしもし、なまえ?」
電話の相手は父だった。
どうやら今やっとホテルに着いたらしい。
若干、声が疲れているような気がした。
朝一の船でこの時間となると、改めてアローラ地方は遠いのだということを実感する。
明日は朝早いから休むよ、と告げ、しっかり戸締りをして寝るんだよ、と念押しするように言うと、電話を切った。
イリヤもレリアもまめな性格で、出発する時や現地に着いたときは必ず連絡をしてきていた。
そのため、なまえもふたりのスケジュールをほぼ正確に把握していた。
今回は5日間、アローラ地方にてククイ博士夫妻と調査をしたあと、イリヤはガラルで開催されるスタートーナメントに、レリアはカロスのバトルシャトーで行われる大会にそれぞれゲストとして招かれている。
ふたりが戻ってくるまで、なまえはカイナシティでのんびり過ごす予定でいた。
港町であるカイナシティは朝市が行われる。
明日は少し早起きして、買い物にでも行ってみようか。
潮風が、窓を優しく叩く。
濃紺の空に、星が美しく輝いていた。