ミモザの花が咲く頃に
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なまえとバクフーンは、エンジンシティへと向かう電車に乗っていた。
マグノリアの話を聞いて、何か資料があるかもしれないと真っ先に思いついたのは、シンオウ地方のミオシティにある図書館だった。
そこは、レリアもよく通い詰めていた場所だ。
善は急げとの言葉の通り、今日はエンジンシティのホテルスボミーインに泊まり、明日の朝すぐにシンオウへと向かう予定を立てていた。
ブラッシータウンを出発し、のんびりとした景色の中を走っていた列車がガタン、と音を立ててゆっくりと止まる。
まだ駅には到着していない。
乗客たちが不思議そうに外を見渡す中、車内放送がかかった。
“お客様にお知らせいたします。
現在、ポケモンが線路を塞いでおり、発車することが出来ません。
恐れ入りますが、この先のワイルドエリア駅からタクシーをご利用いただくか、エンジンシティにてお乗り換えをお願いいたします”
繰り返されるアナウンスに乗客たちは不満の声を上げながら、仕方なく次々と電車を降りていく。
それに続いて電車を降りたなまえの視界に入ったのは、線路の上でぐっすりと眠っているカビゴンの姿だった。
これならば仕方がない。諦めがついた。
小柄なポケモンならば動かせるだろうが、カビゴンではどうやっても無理だ。
電車の運転士も、カビゴンをゆすってはみるものの、びくともせずに気持ちよさそうに眠っている。
これはおとなしく起きるのを待つしかない。
たまたま睡魔に襲われたのが線路の上だったというだけで、カビゴンも悪気があるわけではないのだろう。
少し歩いたワイルドエリアの入り口にある空飛ぶタクシー乗り場は、すでに大行列ができていた。
これでは、何時にエンジンシティに辿り着けるかわからない。
ワイルドエリアには、前にイリヤの手伝いで何回も来たことがあった。
エンジンシティまでの道のりは知っている。
『歩いていこうか、バクフーン』
ちょっと遠いが、これでは時間がどんどん遅くなってしまう。
バクフーンは嫌がる素振りは一切見せず、承諾してくれた。
ワイルドエリアは気候の変動がとても激しいことで有名だが、今日は運の良いことに快晴だった。
キャンプをしているトレーナーも多いが、ポケモンにとっても過ごしやすいのだろう。
木の実を食べたり昼寝をしたり、のんびりとしている姿が見える。
イリヤと調査に来た時には、いろいろなハプニングがあったことを思い出す。
いきなり大雨に降られたり、イワークに追いかけられたり、ホシガリスに持ってきたお弁当を全部食べられてしまったり、そんなふたりを見ていたキャンプをしていたトレーナーが、カレーをご馳走してくれたり。
今となってはすべてが懐かしい。
景色を見ながらのんびりと歩いている内に、エンジンシティが見えてきた。
にぎやかな街並みも、どこまでも広がる青も、のどかな景色も、
今のなまえにはまぶしい。
イリヤも、レリアも、
どこへ行ってしまったのだろうか。
広く青い空の下、ひとり取り残されるかのように孤独に染まるなまえの背後に、暗い影が落ちた。
「見つけましたよ、“影の姫”」
マグノリアの話を聞いて、何か資料があるかもしれないと真っ先に思いついたのは、シンオウ地方のミオシティにある図書館だった。
そこは、レリアもよく通い詰めていた場所だ。
善は急げとの言葉の通り、今日はエンジンシティのホテルスボミーインに泊まり、明日の朝すぐにシンオウへと向かう予定を立てていた。
ブラッシータウンを出発し、のんびりとした景色の中を走っていた列車がガタン、と音を立ててゆっくりと止まる。
まだ駅には到着していない。
乗客たちが不思議そうに外を見渡す中、車内放送がかかった。
“お客様にお知らせいたします。
現在、ポケモンが線路を塞いでおり、発車することが出来ません。
恐れ入りますが、この先のワイルドエリア駅からタクシーをご利用いただくか、エンジンシティにてお乗り換えをお願いいたします”
繰り返されるアナウンスに乗客たちは不満の声を上げながら、仕方なく次々と電車を降りていく。
それに続いて電車を降りたなまえの視界に入ったのは、線路の上でぐっすりと眠っているカビゴンの姿だった。
これならば仕方がない。諦めがついた。
小柄なポケモンならば動かせるだろうが、カビゴンではどうやっても無理だ。
電車の運転士も、カビゴンをゆすってはみるものの、びくともせずに気持ちよさそうに眠っている。
これはおとなしく起きるのを待つしかない。
たまたま睡魔に襲われたのが線路の上だったというだけで、カビゴンも悪気があるわけではないのだろう。
少し歩いたワイルドエリアの入り口にある空飛ぶタクシー乗り場は、すでに大行列ができていた。
これでは、何時にエンジンシティに辿り着けるかわからない。
ワイルドエリアには、前にイリヤの手伝いで何回も来たことがあった。
エンジンシティまでの道のりは知っている。
『歩いていこうか、バクフーン』
ちょっと遠いが、これでは時間がどんどん遅くなってしまう。
バクフーンは嫌がる素振りは一切見せず、承諾してくれた。
ワイルドエリアは気候の変動がとても激しいことで有名だが、今日は運の良いことに快晴だった。
キャンプをしているトレーナーも多いが、ポケモンにとっても過ごしやすいのだろう。
木の実を食べたり昼寝をしたり、のんびりとしている姿が見える。
イリヤと調査に来た時には、いろいろなハプニングがあったことを思い出す。
いきなり大雨に降られたり、イワークに追いかけられたり、ホシガリスに持ってきたお弁当を全部食べられてしまったり、そんなふたりを見ていたキャンプをしていたトレーナーが、カレーをご馳走してくれたり。
今となってはすべてが懐かしい。
景色を見ながらのんびりと歩いている内に、エンジンシティが見えてきた。
にぎやかな街並みも、どこまでも広がる青も、のどかな景色も、
今のなまえにはまぶしい。
イリヤも、レリアも、
どこへ行ってしまったのだろうか。
広く青い空の下、ひとり取り残されるかのように孤独に染まるなまえの背後に、暗い影が落ちた。
「見つけましたよ、“影の姫”」