ミモザの花が咲く頃に
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「久しぶりだな、なまえ!」
目的地に辿り着いたなまえを出迎えたのは、太陽のような明るい声だった。
ガラル地方 シュートシティ
ホテル ロンド・ロゼの最上階のレストラン。
ぴしりとしたタキシードを着た店員を見た瞬間、なまえは完全に自分が場違いであることを悟った。
こちらです、案内された席には、可愛らしいワンピースを着た親友のソニアと、グレーのスーツに身を包んだローズ、秘書のオリーヴ、そしてガラルチャンピオンのダンデの姿があった。
ホドモエシティのホテルで数日過ごしていたなまえに、ソニアから連絡が入ったのは昨日のことだった。
マクロコスモスの社長のローズが、なまえとの面会を希望しているというのだ。
シッポウシティの件もあり、出掛けることに対して気乗りしなかったなまえはためらったが、ダンデとソニアも招待されていると聞き、きちんとワタルに連絡をいれた上で単身ガラルへと向かった。
「はじめまして。お会いできて嬉しいです」
さすがはガラル屈指の社長と呼ばれる存在だ。
穏やかな表情の中に貫禄と風格を見せるローズに、なまえも挨拶を返す。
『はじめまして、なまえと申します』
お互いに簡単な挨拶を済ませたころを見計らい、見るからに高級なコース料理が次々と運ばれてくる。
遠慮せずに召し上がってください、とローズが気遣うように声をかけてくれるが、想像していたよりもはるかに格式高い場に戸惑いを隠せない。
窓の外は、はるか下ににぎやかなシュートシティが広がっている。
自分が着てきたアップルグリーンのロングワンピースを見て、待ち合わせ場所を下調べしなかったことを後悔した。
暗い色より明るい色の洋服をセレクトしたこと、ヒールを履いてきたことだけが唯一救いだろうか。
豪華なデザートプレートを食べ終え、食後のコーヒーが運ばれてきた時。
テレビを拝見しました、とローズが切り出した。
ダンデとソニアの表情も、わずかながら曇る。
予想はしていたが、これこそが本題なのだと改めて悟る。
「さぞかしご心配だと思いますが・・・我々に協力出来ることがあったら、遠慮なくおっしゃって下さい。我が社は援助は惜しみません」
「もちろんオレも協力する。何かあったら、いつでも頼ってくれ」
ふたりの心強い申し出に、なまえは深々と頭を下げた。
「事件ではないかとも言われていますが・・・実際、どうなのでしょう」
ローズからの問いに、なまえは現在の状況を簡単に説明をした。
国際警察が調査をしていること、
現時点では有力な情報が何もないこと、
断定はできないが、事件の可能性が高いと言われたこと。
“事件”というワードに、明らかに全員の表情が変わった。
行方不明事件となれば、行き着く結末はほぼひとつ。
誘拐だ。
たちまち、ローズの表情が曇った。
「私がイリヤ博士を無理にご招待しなければ、このようなことにはならなかったのではないのかと・・・ずっと考えていました」
『それは違います、ローズさん』
声を落としたローズに、なまえはすぐさまきっぱりと言葉をかけた。
彼が責任を感じることではない。
実際、どこで行方がわからなくなってしまったのかすらもわからないのだ。
娘であるなまえからきっぱりと否定の言葉を聞けたことに安堵したのか、ローズの表情がわずかに緩んだように見えた。
「遠路はるばるお越しいただきありがとうございました。彼女がお部屋を手配しておりますので、今日はここでお休みください」
こちらです、とオリーヴがなまえに差し出したのは、客室のカードキーだった。
何から何まで準備してもらったことに驚くなまえに、素直に甘えなよ、と告げたのはダンデだった。
ローズはこのあと仕事があるらしく、オリーヴと共にレストランを後にした。
「ソニア、なまえ。良かったら、少し散歩でもしないか」
街を案内するよ、と申し出たダンデの誘いに素直に乗り、一行はレストランを出て街へと向かった。
目的地に辿り着いたなまえを出迎えたのは、太陽のような明るい声だった。
ガラル地方 シュートシティ
ホテル ロンド・ロゼの最上階のレストラン。
ぴしりとしたタキシードを着た店員を見た瞬間、なまえは完全に自分が場違いであることを悟った。
こちらです、案内された席には、可愛らしいワンピースを着た親友のソニアと、グレーのスーツに身を包んだローズ、秘書のオリーヴ、そしてガラルチャンピオンのダンデの姿があった。
ホドモエシティのホテルで数日過ごしていたなまえに、ソニアから連絡が入ったのは昨日のことだった。
マクロコスモスの社長のローズが、なまえとの面会を希望しているというのだ。
シッポウシティの件もあり、出掛けることに対して気乗りしなかったなまえはためらったが、ダンデとソニアも招待されていると聞き、きちんとワタルに連絡をいれた上で単身ガラルへと向かった。
「はじめまして。お会いできて嬉しいです」
さすがはガラル屈指の社長と呼ばれる存在だ。
穏やかな表情の中に貫禄と風格を見せるローズに、なまえも挨拶を返す。
『はじめまして、なまえと申します』
お互いに簡単な挨拶を済ませたころを見計らい、見るからに高級なコース料理が次々と運ばれてくる。
遠慮せずに召し上がってください、とローズが気遣うように声をかけてくれるが、想像していたよりもはるかに格式高い場に戸惑いを隠せない。
窓の外は、はるか下ににぎやかなシュートシティが広がっている。
自分が着てきたアップルグリーンのロングワンピースを見て、待ち合わせ場所を下調べしなかったことを後悔した。
暗い色より明るい色の洋服をセレクトしたこと、ヒールを履いてきたことだけが唯一救いだろうか。
豪華なデザートプレートを食べ終え、食後のコーヒーが運ばれてきた時。
テレビを拝見しました、とローズが切り出した。
ダンデとソニアの表情も、わずかながら曇る。
予想はしていたが、これこそが本題なのだと改めて悟る。
「さぞかしご心配だと思いますが・・・我々に協力出来ることがあったら、遠慮なくおっしゃって下さい。我が社は援助は惜しみません」
「もちろんオレも協力する。何かあったら、いつでも頼ってくれ」
ふたりの心強い申し出に、なまえは深々と頭を下げた。
「事件ではないかとも言われていますが・・・実際、どうなのでしょう」
ローズからの問いに、なまえは現在の状況を簡単に説明をした。
国際警察が調査をしていること、
現時点では有力な情報が何もないこと、
断定はできないが、事件の可能性が高いと言われたこと。
“事件”というワードに、明らかに全員の表情が変わった。
行方不明事件となれば、行き着く結末はほぼひとつ。
誘拐だ。
たちまち、ローズの表情が曇った。
「私がイリヤ博士を無理にご招待しなければ、このようなことにはならなかったのではないのかと・・・ずっと考えていました」
『それは違います、ローズさん』
声を落としたローズに、なまえはすぐさまきっぱりと言葉をかけた。
彼が責任を感じることではない。
実際、どこで行方がわからなくなってしまったのかすらもわからないのだ。
娘であるなまえからきっぱりと否定の言葉を聞けたことに安堵したのか、ローズの表情がわずかに緩んだように見えた。
「遠路はるばるお越しいただきありがとうございました。彼女がお部屋を手配しておりますので、今日はここでお休みください」
こちらです、とオリーヴがなまえに差し出したのは、客室のカードキーだった。
何から何まで準備してもらったことに驚くなまえに、素直に甘えなよ、と告げたのはダンデだった。
ローズはこのあと仕事があるらしく、オリーヴと共にレストランを後にした。
「ソニア、なまえ。良かったら、少し散歩でもしないか」
街を案内するよ、と申し出たダンデの誘いに素直に乗り、一行はレストランを出て街へと向かった。