ヒウンシティのジュンサーからの報告だと、カメラマンとインタビュアーはカロス在住で、依頼主の指示通りイッシュに向かった。
途中カメラマンに電話がかかってきて、アロエ、アーティと一緒にいる女を取材し、写真を撮れとの指示があったため、なまえに近付いたらしい。
しかしミアレ出版は、このポケジョブの件を一切知らなかったという。

そして今朝の会議で国際警察が新たに入手した情報によると、各地方のテレビ局に、《ふたりが行方不明になった》という内容の匿名の電話が、ほぼ同じ時間にあったらしい。
メディアで一気に報道された原因は、それだったのだ。
どこからかけられたのかを、現在調べているという。

「今の話を聞く限りだと、大きな疑問点は４つといったところだな」

静かにそう切り出したのは、シャガだった。

「１つ。誰が行方不明の情報をテレビやラジオに流したのか。
２つ。ミアレ出版の名を語って、ポケジョブを流したのは誰なのか。
３つ。なまえさんを狙う理由。
４つ。なぜ国際警察やGメンが公にしていないのに、メディアに電話をした人物は、イリヤ博士とレリア博士が行方不明になったことを知っていたのか」

シャガの疑問は、確実に的を得ていた。
当のなまえも、何かがおかしいとは感じたものの、まさかこんなに大事になるとは思ってはいなかったのだ。

「確かに。公になっていないのに・・・一斉に電話があるなんておかしいわ」

「少なくとも・・・メディアに連絡をした人物は、何か知っていると考えていいだろう。それこそ、そうする必要があったのかもしれないな」

カミツレとシャガの発言には、この場にいる全員が同意見だった。

「まずはその人物を突き止めるのが、一番話の進展が早そうじゃの」

「待っているだけではなく、こちらからも攻めていかないとダメね。これが本当に事件だとしたら、なまえに危険が及ぶ可能性も十分あるわ」


ヤナギとイブキの発言にも、全員が同調するように首を縦に振った。

すべての地方のメディアに、なぜ一斉に連絡をする必要があったのか。
どこで、ふたりが行方不明になったことを知ったのか。
考えれば考えるほど、謎は深まるばかりだ。
一体、何が起こっているというのだろうか。

そしてそれ以外にも、気がかりなことがひとつあった。