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「その調子だよ。頑張って!」
目を覚ましてから数日、徐々に回復してきたこともあり、なまえはベポに身体を支えられながら、歩く練習をしていた。
歩くという単純な動作も、少し長く眠り続けた身体には負担でしかない。
そう簡単に、元には戻ってはくれないだろう。
ローに助けられた日から、ずいぶんと時間は過ぎていた。
ハートの海賊団にも少しずつ馴染み、皆もなまえを自然と受け入れていた。
少し休憩しよう、と言って椅子に座らせてくれたベポに、ありがとう、と笑顔を向けると、照れ臭そうに笑い返してくれたベポの素直さが可愛らしい反面、心に刺さった。
彼らは・・・
白ひげ海賊団のみんなは、どうしているのだろう。
もう何回、頭を過っただろう。
本来であれば自分はもう、この世界には存在しないはずだったのに。
何の運命か、まだこの世界に留まっていて。
決してローが自分を助けたことが不満な訳ではない。
ローを責めるつもりは欠片もない。
けれど彼が、自分にとっては想定外の結果をもたらしたことは事実だった。
さすがに話さない訳にはいかなかったので、ローには白ひげ海賊団にいたことだけは話したが、最後の事の経緯だけは黙っていた。
腑に落ちない部分もあるだろうが、彼はどうやら彼女は事故で海に落ちたのだと解釈してくれたようで、それ以上深く探るようなことはせず、それはそれで逆にありがたかった。
とにかく歩けるようになれとのローの言葉に従い、今に至ると言うわけだ。
今は普通に歩くのも一苦労な彼女にとって、波に揺られる海の上は、苦痛以外の何物でもない。
ただでさえバランスがとれない不安定な身体に優しさという言葉はまるでなく、まるで容赦はしないと告げているようだった。
これは、罰なのだろうか。
自ら終わらそうとした、自分自身への戒めだというのか。
それが罪だと言うのなら、
抗ってみてもいいのかもしれない。
それが今の自分に出来る、彼に対する礼儀なのかもしれない。
ならば、少しぐらいは。
静かに空を仰いだ歌姫は、もう一度立ち上がった。
目を覚ましてから数日、徐々に回復してきたこともあり、なまえはベポに身体を支えられながら、歩く練習をしていた。
歩くという単純な動作も、少し長く眠り続けた身体には負担でしかない。
そう簡単に、元には戻ってはくれないだろう。
ローに助けられた日から、ずいぶんと時間は過ぎていた。
ハートの海賊団にも少しずつ馴染み、皆もなまえを自然と受け入れていた。
少し休憩しよう、と言って椅子に座らせてくれたベポに、ありがとう、と笑顔を向けると、照れ臭そうに笑い返してくれたベポの素直さが可愛らしい反面、心に刺さった。
彼らは・・・
白ひげ海賊団のみんなは、どうしているのだろう。
もう何回、頭を過っただろう。
本来であれば自分はもう、この世界には存在しないはずだったのに。
何の運命か、まだこの世界に留まっていて。
決してローが自分を助けたことが不満な訳ではない。
ローを責めるつもりは欠片もない。
けれど彼が、自分にとっては想定外の結果をもたらしたことは事実だった。
さすがに話さない訳にはいかなかったので、ローには白ひげ海賊団にいたことだけは話したが、最後の事の経緯だけは黙っていた。
腑に落ちない部分もあるだろうが、彼はどうやら彼女は事故で海に落ちたのだと解釈してくれたようで、それ以上深く探るようなことはせず、それはそれで逆にありがたかった。
とにかく歩けるようになれとのローの言葉に従い、今に至ると言うわけだ。
今は普通に歩くのも一苦労な彼女にとって、波に揺られる海の上は、苦痛以外の何物でもない。
ただでさえバランスがとれない不安定な身体に優しさという言葉はまるでなく、まるで容赦はしないと告げているようだった。
これは、罰なのだろうか。
自ら終わらそうとした、自分自身への戒めだというのか。
それが罪だと言うのなら、
抗ってみてもいいのかもしれない。
それが今の自分に出来る、彼に対する礼儀なのかもしれない。
ならば、少しぐらいは。
静かに空を仰いだ歌姫は、もう一度立ち上がった。