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いつになく真剣な表情から語られた一言は、衝撃を与えるには十分過ぎた。
“それは病気じゃない。毒だ”
「一時間に一回、症状が収まるまで欠かさずに解毒剤を打て。一番強力なやつだ。そうすれば良くなる」
驚きで身体が動かないチョッパーを見て、早くしないと手遅れになるぞ、と質問すら許さず急かすような言葉を付け加えると、チョッパーは慌てて医務室へと走っていった。
味方とも言えないが敵とも言いがたい、一味にとって本当になんとも言えない微妙な位置にいるクザンの言葉に対して、本当なのか、と信憑性を問いかけるフランキーに悪気はない。
そんな彼に対して、少しは信用してくれてもいいんじゃないの、とあしらうように言葉を返したものの、クザンの表情は言葉とは裏腹だった。
「前に聞いたことがあるだけで実際に見たことはないが・・・シーザー・クラウンが作ったとされている、兵器の症状によく似ている」
「兵器・・・!?」
「表向きでは政府の緊急時用のものだとか言ってたが・・・まあ、政府にとって都合の悪い存在をもみ消すための、暗殺に使われるような物騒な物だ。
風の噂で、近頃その兵器が保管してある場所が襲撃され、数本盗まれたって話を聞いた。
その毒の恐ろしいところは、即効性がないことだ。
かなりの時間が過ぎた頃に、一気に暴れだす。
何が原因なのか、いつかかったのか特定出来ないのが特徴ってわけだ。
ま、それが狙いなんだろうけどな。
人間の細胞を破壊していき、面倒なことに、この毒の感染者の皮膚に触れると、触れた人間にも感染していく。
ひとりが感染すれば、島の一つや二つ・・・あっという間に全滅させることだって出来る。・・・あの悪趣味な科学者に似て性質の悪い毒ってわけだ」
理解したか?と問いかけたクザンに、フランキーとブルック、ジンベエにはある疑問が浮かんだ。
どうして、自分たちは感染しなかったのか?
皮膚に触れると感染する、と確かに今言っていた。
倒れて動けない仲間を医務室に運んだりしていたというのに、3人は症状が出ていない。
「言っただろ。この毒は“人間の細胞”を破壊する。
あんたらは“サイボーグ”と“骨”、それに“魚人”だ。だから感染しても、進行するスピードが遅いんだろうよ」
クザンは迷うこともなく、あっさりと答えを返した。
「・・・・・」
彼らは確かに普通の人間とは違っている。
それは嫌でもわかっていることとはいえ、言われた当の本人たちの内心は複雑であることも確かな話。
しかし、そのおかげで今回は無事だったのも紛れもない事実だ。
「人間離れしたこの身体も・・・時には悪くはないということですね」
「そういうことにしておくか・・・」
半ば無理に結論付けて ヨホホ、と小さく笑ったブルック。
それはサニー号の中で、久しぶりに聞こえた笑い声だった。
「世界政府は否定しているが、実は似たような症状で壊滅状態になった島がある。名前は・・・リーフ島、とか言ったか」
「え・・・!?」
その島の名前には、聞き覚えがあった。
以前、まだなまえがいるときに上陸した島だ。
確かにあの島は、島民が次々と倒れたらしいが、原因は解明出来なかったと言っていた。
「おい、まさか・・・」
もし、その兵器が原因だったとしたら。
話はすべて繋がってしまう。
政府は否が応でも否定したい話だろう、政府の兵器が盗まれ、それが原因で島が一つ壊滅したなど。
「政府は相当焦っている。あまり良い状況じゃあなさそうだ」
元海軍という敵対する立場にかつて所属し、その名を知らぬ者はいないほどの地位に立った男が、海賊に何を語ろうというのだろうか。
“それは病気じゃない。毒だ”
「一時間に一回、症状が収まるまで欠かさずに解毒剤を打て。一番強力なやつだ。そうすれば良くなる」
驚きで身体が動かないチョッパーを見て、早くしないと手遅れになるぞ、と質問すら許さず急かすような言葉を付け加えると、チョッパーは慌てて医務室へと走っていった。
味方とも言えないが敵とも言いがたい、一味にとって本当になんとも言えない微妙な位置にいるクザンの言葉に対して、本当なのか、と信憑性を問いかけるフランキーに悪気はない。
そんな彼に対して、少しは信用してくれてもいいんじゃないの、とあしらうように言葉を返したものの、クザンの表情は言葉とは裏腹だった。
「前に聞いたことがあるだけで実際に見たことはないが・・・シーザー・クラウンが作ったとされている、兵器の症状によく似ている」
「兵器・・・!?」
「表向きでは政府の緊急時用のものだとか言ってたが・・・まあ、政府にとって都合の悪い存在をもみ消すための、暗殺に使われるような物騒な物だ。
風の噂で、近頃その兵器が保管してある場所が襲撃され、数本盗まれたって話を聞いた。
その毒の恐ろしいところは、即効性がないことだ。
かなりの時間が過ぎた頃に、一気に暴れだす。
何が原因なのか、いつかかったのか特定出来ないのが特徴ってわけだ。
ま、それが狙いなんだろうけどな。
人間の細胞を破壊していき、面倒なことに、この毒の感染者の皮膚に触れると、触れた人間にも感染していく。
ひとりが感染すれば、島の一つや二つ・・・あっという間に全滅させることだって出来る。・・・あの悪趣味な科学者に似て性質の悪い毒ってわけだ」
理解したか?と問いかけたクザンに、フランキーとブルック、ジンベエにはある疑問が浮かんだ。
どうして、自分たちは感染しなかったのか?
皮膚に触れると感染する、と確かに今言っていた。
倒れて動けない仲間を医務室に運んだりしていたというのに、3人は症状が出ていない。
「言っただろ。この毒は“人間の細胞”を破壊する。
あんたらは“サイボーグ”と“骨”、それに“魚人”だ。だから感染しても、進行するスピードが遅いんだろうよ」
クザンは迷うこともなく、あっさりと答えを返した。
「・・・・・」
彼らは確かに普通の人間とは違っている。
それは嫌でもわかっていることとはいえ、言われた当の本人たちの内心は複雑であることも確かな話。
しかし、そのおかげで今回は無事だったのも紛れもない事実だ。
「人間離れしたこの身体も・・・時には悪くはないということですね」
「そういうことにしておくか・・・」
半ば無理に結論付けて ヨホホ、と小さく笑ったブルック。
それはサニー号の中で、久しぶりに聞こえた笑い声だった。
「世界政府は否定しているが、実は似たような症状で壊滅状態になった島がある。名前は・・・リーフ島、とか言ったか」
「え・・・!?」
その島の名前には、聞き覚えがあった。
以前、まだなまえがいるときに上陸した島だ。
確かにあの島は、島民が次々と倒れたらしいが、原因は解明出来なかったと言っていた。
「おい、まさか・・・」
もし、その兵器が原因だったとしたら。
話はすべて繋がってしまう。
政府は否が応でも否定したい話だろう、政府の兵器が盗まれ、それが原因で島が一つ壊滅したなど。
「政府は相当焦っている。あまり良い状況じゃあなさそうだ」
元海軍という敵対する立場にかつて所属し、その名を知らぬ者はいないほどの地位に立った男が、海賊に何を語ろうというのだろうか。