178°
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ベポに連れられ、船長室へとやって来たなまえが船長室の扉を開けると、相変わらず悪い顔色を浮かべたローの姿があった。
何とも言えない雰囲気を感じ取ったのか、ベポはおれ行くね、と小さい声で言い残して足早に立ち去った。
お互いに何も言わない。
敵の懐に自分から飛び込むような真似をしたのだ、こればかりは責められても仕方がない。
「・・・悪かった」
意外にも、先に謝罪の意を示したのは、ローだった。
「言葉が過ぎた」
彼女に全く非はない。
心配してくれた彼女を、自分が一方的に怒鳴り付けただけ。
これがなければ、今回のことは何もなかったかもしれないのだ。
責められると思っていたなまえは、驚きを隠せなかった。
『私も・・・勝手なことをしてごめんなさい』
素直に謝ったなまえに、少しばかり安心したのもつかの間。
ここからが本題なのだ。
「・・・鷹の目には偶然会ったのか?それとも自分の意志で会ったのか?」
ローが知りたかったのは、それだった。
ミホークの言葉やなまえの様子を見ると、2人が対峙していたあの光景には、強い違和感を感じた。
出会ったことは偶然だとしても、すべてを偶然で片付けることはどうしても出来なかった。
ミホークが接触したのか、それとも彼女が接触したのか。
彼女の口から真相を聞きたかった。
『偶然、この島にいると聞いて・・・私の意志で会ったわ。いつか会えたら・・・彼に頼みたいことがあったの。ずっと昔から』
その答えに、落胆した自分がいた。
同時に、鷹の目から接触したという言葉を望んでいた自分自身に気付く。
つまり彼女は、ずっと前から鷹の目に会うことを望んでいたということになる。
白ひげ海賊団にその身を置いていた時から。
そしてミホークは、そんな彼女の願いを次に会ったら叶えると告げたのだ。
一体何を望んだのかはわからない。
しかし、今すぐには叶えない願いとは何なのか。
自分ならば、時を待たずともすぐに叶えてやるというのに。
「言ってみろ。・・・おれが代わりに叶えてやる」
それは一種の、嫉妬のようなものから出た言葉でもあった。
今は一番近くにいる自分を、頼ってほしかった。
駆け付けた自分達の姿を見れば、理由はどうであれ、彼女が現在ハートの海賊団に船に乗っていることをミホークは理解したはずだ。
仮にも敵対する存在に、次にいつ会えるか明確な約束もないのに、“次に会うことがあれば”などと彼女に未来を期待させるような言葉を残したミホークに、無性に腹立たしくなったのだ。
そんなローの思いがあるとは知らず、彼女は静かに首を横に振った。
『私の願いは誰にも叶えられません。・・・彼以外には』