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そこに漂っていたのは、穏やかな波とは明らかに不釣り合いの、ひどい緊張感と殺気だった。
「鷹の目・・・!!」
なぜ彼女が鷹の目と一緒にいるのか。
この状況がまったく理解できない。
数では圧倒的に有利なはずのロー達が、ただ一人の男の異常なほどの威圧感に、押し潰されそうになっていた。
この空気だけで圧倒されてしまいそうなほどに、目の前にいる男は間違いない強さを無言で表していた。
仮にも七武海を名乗ったほどの実力者であるローを筆頭にしたハートの海賊団を目の前にしても、ミホークは表情ひとつ変えることはない。
ミホークがリヤの方に視線を向けると、彼女は明らかに動揺していた。
「なまえ!そいつから離れろ!!こっちに来い!!」
ローが怒鳴っても、なまえは俯くだけ。
そんな様子の彼女を見て、ローの焦りは募るばかりだった。
「この女はお前の仲間か」
「だったらどうした・・・!」
「どのような理由であれ・・・少なくとも、今のおれにはお前を生かしておく理由がない。この場で海の底へと沈めてやる」
「上等だ・・・!切り刻んでやる」
それぞれの剣に手をかけたふたりの姿を見て、声をあげたのはなまえだった。
『待ってくださいミホーク様!!彼は関係ありません!!』
彼女が叫んだその言葉に、ローは強い苛立ちを覚えた。
この状況で、自分たちには関係がないというのか。
彼女にとって自分は、自分たちは、その程度の存在でしかないというのだろうか。
たとえそれが、自分たちを庇うための理由だとしても。
『私が勝手にやったことです!ローさん、お願いやめて!』
なぜ庇うのだ、その男を。
なぜすり抜ける、おれの手を。
近くにいるのに、どうして。
その手を、掴むことすら許さないというのか。
複雑な思いだけが駆け巡る。
ミホークの目に映るローの姿は、それはひどいものだった。
明らかに悪い顔色、ふらついている足元。
これで戦いを挑むつもりだというのか。
一端の船長としての意地か、それともただの命知らずか。
もしくは、彼女を守ろうとしているのか。
しかし、ローと彼女の間には、明らかな温度差があることにも気付く。
それはきっと、簡単には縮まらない温度差であることにも。
「・・・命拾いしたな、トラファルガー。女に助けられるとは情けない限りだが、弱りきった者に手を掛けても何の価値もない」
小さくため息をつき、そう言ったミホークに戦意がないとわかった途端、ローの表情は険しくなり、なまえの表情はわずかに緩んだ。
その瞬間を、その鋭い目が見逃すことはなかった。
ミホークはその細い腕を引くと、彼女の頬に手を添えた。
その鋭い視線に間近に捉えられたなまえは、まるで時が止まったような感覚に襲われた。
「行き急ぐな、若き娘よ。斬れと願ったその命、この黒刃が貰い受ける」
『・・・!!』
この光景を見た瞬間、ローの殺気が一気に高まったことに気付いたが、そんなことには構いもせず、ミホークはそっと手を離すと、背を向けて歩きだした。
「お前がその願いを叶えるのはまだ早い。しかし、また再び出会うことがあり・・・その時に、お前の意思が変わらぬというのならば・・・」
一際大きな波が押し寄せ、潮風が強くざわついた。
“おれはその願いを、聞き届けよう”
「鷹の目・・・!!」
なぜ彼女が鷹の目と一緒にいるのか。
この状況がまったく理解できない。
数では圧倒的に有利なはずのロー達が、ただ一人の男の異常なほどの威圧感に、押し潰されそうになっていた。
この空気だけで圧倒されてしまいそうなほどに、目の前にいる男は間違いない強さを無言で表していた。
仮にも七武海を名乗ったほどの実力者であるローを筆頭にしたハートの海賊団を目の前にしても、ミホークは表情ひとつ変えることはない。
ミホークがリヤの方に視線を向けると、彼女は明らかに動揺していた。
「なまえ!そいつから離れろ!!こっちに来い!!」
ローが怒鳴っても、なまえは俯くだけ。
そんな様子の彼女を見て、ローの焦りは募るばかりだった。
「この女はお前の仲間か」
「だったらどうした・・・!」
「どのような理由であれ・・・少なくとも、今のおれにはお前を生かしておく理由がない。この場で海の底へと沈めてやる」
「上等だ・・・!切り刻んでやる」
それぞれの剣に手をかけたふたりの姿を見て、声をあげたのはなまえだった。
『待ってくださいミホーク様!!彼は関係ありません!!』
彼女が叫んだその言葉に、ローは強い苛立ちを覚えた。
この状況で、自分たちには関係がないというのか。
彼女にとって自分は、自分たちは、その程度の存在でしかないというのだろうか。
たとえそれが、自分たちを庇うための理由だとしても。
『私が勝手にやったことです!ローさん、お願いやめて!』
なぜ庇うのだ、その男を。
なぜすり抜ける、おれの手を。
近くにいるのに、どうして。
その手を、掴むことすら許さないというのか。
複雑な思いだけが駆け巡る。
ミホークの目に映るローの姿は、それはひどいものだった。
明らかに悪い顔色、ふらついている足元。
これで戦いを挑むつもりだというのか。
一端の船長としての意地か、それともただの命知らずか。
もしくは、彼女を守ろうとしているのか。
しかし、ローと彼女の間には、明らかな温度差があることにも気付く。
それはきっと、簡単には縮まらない温度差であることにも。
「・・・命拾いしたな、トラファルガー。女に助けられるとは情けない限りだが、弱りきった者に手を掛けても何の価値もない」
小さくため息をつき、そう言ったミホークに戦意がないとわかった途端、ローの表情は険しくなり、なまえの表情はわずかに緩んだ。
その瞬間を、その鋭い目が見逃すことはなかった。
ミホークはその細い腕を引くと、彼女の頬に手を添えた。
その鋭い視線に間近に捉えられたなまえは、まるで時が止まったような感覚に襲われた。
「行き急ぐな、若き娘よ。斬れと願ったその命、この黒刃が貰い受ける」
『・・・!!』
この光景を見た瞬間、ローの殺気が一気に高まったことに気付いたが、そんなことには構いもせず、ミホークはそっと手を離すと、背を向けて歩きだした。
「お前がその願いを叶えるのはまだ早い。しかし、また再び出会うことがあり・・・その時に、お前の意思が変わらぬというのならば・・・」
一際大きな波が押し寄せ、潮風が強くざわついた。
“おれはその願いを、聞き届けよう”