178°
Your Name?
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部屋に入ってきたのは、ツナギを着た白熊だった。
白熊はこちらを見たまま、数秒固まっていたが、彼女の目が開いていることに気付くと、バタバタと足音を立てて駆け寄ってきた。
「よかった!気が付いたんだね!」
だいじょうぶ?と白熊は心配そうな顔でなまえの顔を見つめる。
それは今にも泣き出しそうな顔にも見えた。
『あ、あなたは・・』
誰?と訊ねようとしたが、激しく咳き込んでしまい、言葉にならない。
そんななまえの姿に慌てて背中を擦る白熊に、大丈夫よ、と無理やり笑顔を見せた。
「おれ、ベポ。よろしくね」
白熊・・・ベポはそういうと、にっこり笑った。
『わたし・・生きてたの・・?』
掠れた声で訊ねると、白熊はこくんと頷いた。
「すごい大怪我だったんだよ!あの時おれが見つけてなかったら、本当に危なかったんだから!」
話を聞くと、どうやら数日間、眠っていたらしい。
ということは、つまり。
私は・・・
許されなかったのか。
あの時の決断を、
天は、許してはくれなかったらしい。
終わりに、するつもりだったのに。
沈黙に耐えられなくなったのか、ベポはキャプテン呼んでくるね、と部屋を出ていった。
ひとりになった部屋は、急に静かになる。
今さらだが、ここは一体、どこなのか。
ベポとの会話を思い返すと、違和感を感じた。
教えていないはずなのに、ベポは自分のことをなまえと呼んだ。
名乗った記憶はない。
名前がわかるようなものどころか、荷物はひとつも持っていない。
ということは、自分のことを知っているということだ。
“キャプテン”と呼んでいたということは、何かの組織の集まりなのだろうか。
でもなぜだろう、ベポとは何処かで会ったような感覚がある。
ベポも、自分のことを知っている。
初対面ではないのだとしたら、一体いつ出会ったのだろう。
古い記憶を懸命に呼び起こす中、再びドアが開いた。