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幸せだと、この時だけは素直に思えた。
“お兄さま、お兄さまっ!”
“まぁ!大きくなったわね、ロー”
“立派になりましたね、ローくん”
“よくここまで勉強したな、ロー”
懐かしい顔が、おれに微笑みかけてくれている。
あぁ、この光景は。
願ってやまない景色だ。
悲しくなるほど忘れられなくて、泣きたくなるほど思い続けた。
これが一時の夢だとわかっていても、それでも逢えて嬉しいよ。
ラミ、父様、母様、シスター。
こんなおれに優しい言葉をくれて、
こんなおれに微笑んでくれるのか。
本当ならばその笑顔と共に、生きているはずだったのに。
フレバンスで同じ時を過ごして、歳を重ねていくはずだったのに。
誰よりも側に、いるはずだったのに。
ただひとり、生き残ってしまった。
何もかも、失ってしまった。
誰一人、守れなかった。
あの日の地獄は、未だに心を縛り続ける。
“ねえ、お兄さま”
愛らしい妹の顔から、嫌な音が響いた。
“どうして、私を助けてくれなかったの?”
業火に包まれる病院、
次々と倒れていく人々、
耳を切り裂くような悲鳴。
あの日の地獄が、あの日壊れた世界が。
かわいらしい顔が崩れていく。
身体が紅く染まっていく。
そんな姿は、二度と見たくないのに。
たとえ、それが幻だったとしても。
‘’あの日、みんな死にました。
フレバンスはあの日・・・終わったのです。
なのにローくん、あなたはどうして‘’
‘’私たちは白い町と運命を共にしたのに。ロー、なぜお前は・・‘’
わかってる、わかってるんだ。
これはおれの、罪なんだ。
存在してはいけなかった、おれも一緒に逝けばよかった。
何度も後悔ばかりして、そしてこれからも後悔して。
一生消えない罪を背負って、おれは生きていく。
父様、
一度も言ったことがなかったけれど、
貴方のことを、心から尊敬していた。
母様、
一度も伝えられなかったけれど、
おれは貴女の、優しい笑顔が好きだった。
ラミ、
一度も言わなかったけれど、
本当に心の底から可愛い妹だった。
シスター、
いつも素直になれなかったけれど、
貴女が褒めてくれるのが、とても嬉しかった。
変わらぬ景色も、楽しい日々も、喜びに弾む声も、無償の愛も、これからの未来も、生きる意味も、自由な夢も、大切な存在も、
あの日の悪夢はすべてを、無に還した。
父様、母様、ラミ、シスター。
願わくば、おれも、あなたたちの・・・・
あなたたちの側にいけたらと、何度そう思っただろう。
“ロー、あなたさえいなければ・・・
彼はもっと、長く生きていられたのにね”
“お兄さま、お兄さまっ!”
“まぁ!大きくなったわね、ロー”
“立派になりましたね、ローくん”
“よくここまで勉強したな、ロー”
懐かしい顔が、おれに微笑みかけてくれている。
あぁ、この光景は。
願ってやまない景色だ。
悲しくなるほど忘れられなくて、泣きたくなるほど思い続けた。
これが一時の夢だとわかっていても、それでも逢えて嬉しいよ。
ラミ、父様、母様、シスター。
こんなおれに優しい言葉をくれて、
こんなおれに微笑んでくれるのか。
本当ならばその笑顔と共に、生きているはずだったのに。
フレバンスで同じ時を過ごして、歳を重ねていくはずだったのに。
誰よりも側に、いるはずだったのに。
ただひとり、生き残ってしまった。
何もかも、失ってしまった。
誰一人、守れなかった。
あの日の地獄は、未だに心を縛り続ける。
“ねえ、お兄さま”
愛らしい妹の顔から、嫌な音が響いた。
“どうして、私を助けてくれなかったの?”
業火に包まれる病院、
次々と倒れていく人々、
耳を切り裂くような悲鳴。
あの日の地獄が、あの日壊れた世界が。
かわいらしい顔が崩れていく。
身体が紅く染まっていく。
そんな姿は、二度と見たくないのに。
たとえ、それが幻だったとしても。
‘’あの日、みんな死にました。
フレバンスはあの日・・・終わったのです。
なのにローくん、あなたはどうして‘’
‘’私たちは白い町と運命を共にしたのに。ロー、なぜお前は・・‘’
わかってる、わかってるんだ。
これはおれの、罪なんだ。
存在してはいけなかった、おれも一緒に逝けばよかった。
何度も後悔ばかりして、そしてこれからも後悔して。
一生消えない罪を背負って、おれは生きていく。
父様、
一度も言ったことがなかったけれど、
貴方のことを、心から尊敬していた。
母様、
一度も伝えられなかったけれど、
おれは貴女の、優しい笑顔が好きだった。
ラミ、
一度も言わなかったけれど、
本当に心の底から可愛い妹だった。
シスター、
いつも素直になれなかったけれど、
貴女が褒めてくれるのが、とても嬉しかった。
変わらぬ景色も、楽しい日々も、喜びに弾む声も、無償の愛も、これからの未来も、生きる意味も、自由な夢も、大切な存在も、
あの日の悪夢はすべてを、無に還した。
父様、母様、ラミ、シスター。
願わくば、おれも、あなたたちの・・・・
あなたたちの側にいけたらと、何度そう思っただろう。
“ロー、あなたさえいなければ・・・
彼はもっと、長く生きていられたのにね”