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じりじりと焼き尽くすような陽射しだった。
新たに島に到着したローたちハートの海賊団は、街から少し離れた海岸に停泊していた。
「あづいよお・・・・」
皆が買い出しに出掛けている中、ひとり船に残っていたベポは、あまりの暑さにぐったりと倒れ込んでいた。
何か美味しいものを買ってくるわね、と優しく告げたなまえの言葉だけを心の支えに船番をし、 早く夕方にならないかと憎い太陽を睨み付け、ぐったりとするベポの耳に、コツンと軽い足音が聞こえてきた。
それは男の物ではない、この船では聞き慣れないヒールの音。
なまえが帰ってきたのだと、走って出迎えた先にいたのは、見知った優しい彼女の顔ではなく・・・
「あらまあ、可愛い白熊ちゃんだこと」
身を焼き尽くすかのような炎天下の中、カラスのような漆黒のドレスを身を纏い、深い紫の髪を靡かせる見知らぬ女。
その姿が直感的に危険だと悟ったのは、海賊としての勘か、動物としての勘か。
「お宅の船長・・・トラファルガーと話がしたいんだけれど」
ふふふ、と笑いながらも笑っていない女の瞳に、なんとも言えない恐怖心と緊張感が駆け抜ける。
相手はひとり、船番も自分ひとり。
今、ここで逃げ出すわけにはいかない。
「キャプテンならいないよ」
「そう、それは残念」
ベポの反論に、じゃあ白熊ちゃんとお喋りしようか、と船の縁に座り込んだ女は、思わぬ名前を口にした。
「ここに、なまえという女がいるだろう?」
予想外の名前が出て来て、困惑する。
その様子だと、どうやら本当のようだね、と女は笑った。
「トラファルガーに伝えてくれる?なまえは、あんたたちみたいな暇で下衆な海賊に構っている暇なんかないってね」
ローや仲間を馬鹿にするような発言に、ベポの表情が険しくなる。
それに気付いたのか、女は気を悪くしないでね、と挑発的に笑った。
「あの子はね、世界を滅ぼす力を持ってるんだ。あんたたちとは生きる次元が違う。どういう意味かわかる?白熊ちゃん」
そう言ってにっこりと浮かべた笑顔に気をとられ、女の手が動いたのに気付いたときには、もう遅かった。
「可愛いからね、特別に外してあげる」
乾いた音と共に、ベポの身体を銃弾が貫いた。
白い毛皮が、ツナギが、みるみる紅く染まっていく。
倒れこんだベポの姿を見て、女は嬉しそうな声を出した。
「大丈夫、急所は外しておいたから。早く手当てしてもらいなさい・・・悪趣味な君の船長さんは、さぞかし優秀なお医者様なんだろうからねえ」
またね、と女が告げた別れの挨拶に、もう白熊が反応することはなかった。
新たに島に到着したローたちハートの海賊団は、街から少し離れた海岸に停泊していた。
「あづいよお・・・・」
皆が買い出しに出掛けている中、ひとり船に残っていたベポは、あまりの暑さにぐったりと倒れ込んでいた。
何か美味しいものを買ってくるわね、と優しく告げたなまえの言葉だけを心の支えに船番をし、 早く夕方にならないかと憎い太陽を睨み付け、ぐったりとするベポの耳に、コツンと軽い足音が聞こえてきた。
それは男の物ではない、この船では聞き慣れないヒールの音。
なまえが帰ってきたのだと、走って出迎えた先にいたのは、見知った優しい彼女の顔ではなく・・・
「あらまあ、可愛い白熊ちゃんだこと」
身を焼き尽くすかのような炎天下の中、カラスのような漆黒のドレスを身を纏い、深い紫の髪を靡かせる見知らぬ女。
その姿が直感的に危険だと悟ったのは、海賊としての勘か、動物としての勘か。
「お宅の船長・・・トラファルガーと話がしたいんだけれど」
ふふふ、と笑いながらも笑っていない女の瞳に、なんとも言えない恐怖心と緊張感が駆け抜ける。
相手はひとり、船番も自分ひとり。
今、ここで逃げ出すわけにはいかない。
「キャプテンならいないよ」
「そう、それは残念」
ベポの反論に、じゃあ白熊ちゃんとお喋りしようか、と船の縁に座り込んだ女は、思わぬ名前を口にした。
「ここに、なまえという女がいるだろう?」
予想外の名前が出て来て、困惑する。
その様子だと、どうやら本当のようだね、と女は笑った。
「トラファルガーに伝えてくれる?なまえは、あんたたちみたいな暇で下衆な海賊に構っている暇なんかないってね」
ローや仲間を馬鹿にするような発言に、ベポの表情が険しくなる。
それに気付いたのか、女は気を悪くしないでね、と挑発的に笑った。
「あの子はね、世界を滅ぼす力を持ってるんだ。あんたたちとは生きる次元が違う。どういう意味かわかる?白熊ちゃん」
そう言ってにっこりと浮かべた笑顔に気をとられ、女の手が動いたのに気付いたときには、もう遅かった。
「可愛いからね、特別に外してあげる」
乾いた音と共に、ベポの身体を銃弾が貫いた。
白い毛皮が、ツナギが、みるみる紅く染まっていく。
倒れこんだベポの姿を見て、女は嬉しそうな声を出した。
「大丈夫、急所は外しておいたから。早く手当てしてもらいなさい・・・悪趣味な君の船長さんは、さぞかし優秀なお医者様なんだろうからねえ」
またね、と女が告げた別れの挨拶に、もう白熊が反応することはなかった。