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Your Name?
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あの日に戻れたら。
時を戻せたら。
今まで生きてきて、一体、何度そう思ったことだろう。
もし戻れたら、おれはきっと・・・
“ロー”
懐かしい声がした。
もう、二度と聞くことは叶わないはずの声が。
もう一度会いたいと何度も願い、片時も忘れたことなどなかったあの人が今、おれの目の前にいる。
“久しぶりだな、ロー”
久しぶりどころじゃねェよ。
相変わらずだな。
“怒ってるのか?”
当たり前だろ。
勝手に置いていったくせに。
久しぶりに会えたのに。
文句しか言えない生意気な自分に、悪かったよ、と不器用な笑顔で無邪気に笑うコラさんの姿は、あの頃と・・・13年前と、何一つ変わってはいなかった。
コラさん、
あなたは馬鹿だよ。大馬鹿だ。
あなたは何もわかっていない。
たとえどんなに貧しくても、どんなに大変でも、ひたすら逃げ回る生活だったとしても。
あなたがいてくれれば、ただそれだけで良かったのに。
それなのに、どうして。
何も言わずに、たったひとりで。
おれなんかのために。
もし、あの日に戻れたら。
おれは、あなたの手を離すことはないのだろう。
何も知らなさすぎた幼い自分が嫌になる。
あなたはいつから運命を受け入れ、覚悟をしていたのだろう。
おれが、あなたにその道を選ばせてしまった。
わかってるんだ、コラさん。
“その通りだよ、ロー”
おれのせいで、あなたは・・・
“お前を助けるために、おれは死んだんだ”
「キャプテン、キャプテンっ!!!」
耳をつんざくような大声で、一気に現実へと引き戻された。
心配そうな、今にも泣きそうな顔をしているベポを視界にとらえ、あれが夢だったのだと気付く。
それもそうか。当然だ。
あの人はもう、この世にはいないのだから。
ベポが言うには、いくら声をかけても、おれは全く目を覚まさなかったらしい。
普段は少しでも物音がすれば目が覚めてしまうほど眠りが浅いのだ、心配になるのもわからなくはないが。
「キャプテンが起きないなんて珍しいね。いい夢でも見てたの?」
「・・・まぁな」
いい夢、か。
あなたが出て来てくれたのだから、きっとそうなのだろう。
素直にそう思えた。いつもならば。
コラさん、もしも・・・もう一度あなたに会えたら、言いたいことが山ほどある。
説教だってしたい、聞きたいことも山ほどある。
聞くのが怖い、そんな思いもある。
けれど聞かなければならない。
おれは、あなたの本心を知らなければならない。
夢の中で確かに、最後にコラさんはこう言ったのだ。
“ロー、おれは・・・・”
《もっと生きていたかったんだよ》
時を戻せたら。
今まで生きてきて、一体、何度そう思ったことだろう。
もし戻れたら、おれはきっと・・・
“ロー”
懐かしい声がした。
もう、二度と聞くことは叶わないはずの声が。
もう一度会いたいと何度も願い、片時も忘れたことなどなかったあの人が今、おれの目の前にいる。
“久しぶりだな、ロー”
久しぶりどころじゃねェよ。
相変わらずだな。
“怒ってるのか?”
当たり前だろ。
勝手に置いていったくせに。
久しぶりに会えたのに。
文句しか言えない生意気な自分に、悪かったよ、と不器用な笑顔で無邪気に笑うコラさんの姿は、あの頃と・・・13年前と、何一つ変わってはいなかった。
コラさん、
あなたは馬鹿だよ。大馬鹿だ。
あなたは何もわかっていない。
たとえどんなに貧しくても、どんなに大変でも、ひたすら逃げ回る生活だったとしても。
あなたがいてくれれば、ただそれだけで良かったのに。
それなのに、どうして。
何も言わずに、たったひとりで。
おれなんかのために。
もし、あの日に戻れたら。
おれは、あなたの手を離すことはないのだろう。
何も知らなさすぎた幼い自分が嫌になる。
あなたはいつから運命を受け入れ、覚悟をしていたのだろう。
おれが、あなたにその道を選ばせてしまった。
わかってるんだ、コラさん。
“その通りだよ、ロー”
おれのせいで、あなたは・・・
“お前を助けるために、おれは死んだんだ”
「キャプテン、キャプテンっ!!!」
耳をつんざくような大声で、一気に現実へと引き戻された。
心配そうな、今にも泣きそうな顔をしているベポを視界にとらえ、あれが夢だったのだと気付く。
それもそうか。当然だ。
あの人はもう、この世にはいないのだから。
ベポが言うには、いくら声をかけても、おれは全く目を覚まさなかったらしい。
普段は少しでも物音がすれば目が覚めてしまうほど眠りが浅いのだ、心配になるのもわからなくはないが。
「キャプテンが起きないなんて珍しいね。いい夢でも見てたの?」
「・・・まぁな」
いい夢、か。
あなたが出て来てくれたのだから、きっとそうなのだろう。
素直にそう思えた。いつもならば。
コラさん、もしも・・・もう一度あなたに会えたら、言いたいことが山ほどある。
説教だってしたい、聞きたいことも山ほどある。
聞くのが怖い、そんな思いもある。
けれど聞かなければならない。
おれは、あなたの本心を知らなければならない。
夢の中で確かに、最後にコラさんはこう言ったのだ。
“ロー、おれは・・・・”
《もっと生きていたかったんだよ》