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穏やかな波の音だけが響く、静かな海岸。
紺色のドレスのすそを持ち、ぱたぱたと走ってくる姿を見たとき、外科医の心に沸き上がってきたのは、どこかほっとしたような、そんな安心感だった。
銀の仮面が月明かりに反射し、淡い光を放っていた。
「楽しかったか」
シンプルな問いかけに、彼女はとても楽しかったと、嬉しそうに笑って頷いた。
一足早くリガル島に着いていたハートの海賊団。
ローと2人、街に買い物に出たなまえは、舞踏会が開かれることを知る。
興味はあったが、舞踏会の初日・・・つまり今日が、ロー達の出航の日だった。
まさか舞踏会を見てみたいから、出航を先送りしてほしいなど、彼に言える訳がない。
さらによくよく考えてみれば、参加するために着るドレスを、彼女は持っていなかった。
ローが他の店にいるときに、内緒でこっそりドレス屋を覗いてみたが、さすがは島の一大イベントに使うもの、安物は置いておらず、結構な値段だった。
白ひげの船なら・・・
モビーディック号ならば、自分のドレスは山ほどあった。
今もあの船に、自分の荷物はあるのだろうか。
それとも、もう処分されているだろうか。
『バカだなあ、私も・・・・』
あのような形で決着を着けようとしたととに後悔はない。
思い残すこともないはずだった。
“なまえーっ!!!!!!”
身体が宙に舞った瞬間の、エースの悲痛の叫び声が、耳から離れない。
間違いなく、自分はエースに傷を残した。
自分を想ってくれていた彼の心に、簡単には癒えない傷を。
いっそのこと、忘れてくれればいい。
叶うならば、全て忘れてほしい。
何もなかったことにしてほしい。
そしていつか、素敵な人と出会って、恋をして、幸せになってくれればいい。
空がオレンジ色に染まった頃、買い物を終えて船に戻った彼女を待っていたのは、立派な紺色のドレスだった。
紺色のドレスのすそを持ち、ぱたぱたと走ってくる姿を見たとき、外科医の心に沸き上がってきたのは、どこかほっとしたような、そんな安心感だった。
銀の仮面が月明かりに反射し、淡い光を放っていた。
「楽しかったか」
シンプルな問いかけに、彼女はとても楽しかったと、嬉しそうに笑って頷いた。
一足早くリガル島に着いていたハートの海賊団。
ローと2人、街に買い物に出たなまえは、舞踏会が開かれることを知る。
興味はあったが、舞踏会の初日・・・つまり今日が、ロー達の出航の日だった。
まさか舞踏会を見てみたいから、出航を先送りしてほしいなど、彼に言える訳がない。
さらによくよく考えてみれば、参加するために着るドレスを、彼女は持っていなかった。
ローが他の店にいるときに、内緒でこっそりドレス屋を覗いてみたが、さすがは島の一大イベントに使うもの、安物は置いておらず、結構な値段だった。
白ひげの船なら・・・
モビーディック号ならば、自分のドレスは山ほどあった。
今もあの船に、自分の荷物はあるのだろうか。
それとも、もう処分されているだろうか。
『バカだなあ、私も・・・・』
あのような形で決着を着けようとしたととに後悔はない。
思い残すこともないはずだった。
“なまえーっ!!!!!!”
身体が宙に舞った瞬間の、エースの悲痛の叫び声が、耳から離れない。
間違いなく、自分はエースに傷を残した。
自分を想ってくれていた彼の心に、簡単には癒えない傷を。
いっそのこと、忘れてくれればいい。
叶うならば、全て忘れてほしい。
何もなかったことにしてほしい。
そしていつか、素敵な人と出会って、恋をして、幸せになってくれればいい。
空がオレンジ色に染まった頃、買い物を終えて船に戻った彼女を待っていたのは、立派な紺色のドレスだった。