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「なまえちゃんに会ったって、どういうことだマリモ!」
半ば怒鳴り付けるようなサンジの声に、いつもならば突っかかるはずのゾロは、どこか不自然な冷静さを見せていた。
「そのままの意味だ、あの舞踏会になまえがいた」
あまりにも急な話の展開に、頭がついていかない。
人違いじゃないのか、本当に間違いないのかとウソップやフランキーが念押しするように聞くが、間違いない、ときっぱり言い切ったゾロに、仲間たちは顔を見合わせた。
ゾロがこんなたちの悪い冗談をいう男ではないということはわかっている。
しかし、確実にわかることはひとつ。
彼女は、この島にいるという事実だ。
とにかくなまえを探そうと船を降りようとした仲間たちを、待って、と引き留めたのはナミだった。
彼女は、自分達を敵だと思っている。
きっと仮面をつけていたから、ゾロだとわからなかったのだろう。
仮に見つけたとしても、自分達の姿を見れば、また白ひげの元へ向かう前の、あの時の二の舞になってしまうのではないか。
彼女にはそんな不安がよぎっていた。
ナミの気持ちは痛いほどわかる。
特に、彼女に無理やり麻酔を打っていたチョッパーは、それを思い出したのか俯いてしまった。
「・・・なまえを心配してるのは、おれたちだけじゃねェ。エースだって、みんな心配してる」
ゾロが会ったのが、本当に彼女なのか、それだけでも分かればいい。
それは自分達だけの問題ではなく、エースたちを安心させるためでもある。
エース達でさえ、彼女が生きているのかわからないのだ。
本当は船に連れて帰れたらいいが、それが簡単にはいかないことは、重々理解している。
とにかく無事なのかどうか、それだけでもわかればいいのだ。
そうだろ?とナミに諭すように言ったルフィに、ナミは頷いた。
やはりルフィは船長なのだ。安心感があるのだろう。
彼女から不安の表情は消えていた。
一味は、いっせいに船から降りていった。
「キャプテン!出航準備出来ましたー!」
海岸にいたローの耳に、シャチの声が届く。
しばらく滞在したこの島とも、お別れ。
「行くか」
ローの短い言葉に、なまえは笑顔で頷いた。
少しずつ、近付いているのだと思いたい。
おれが一方的に、距離を縮めているだけなのだけれど。
本当の想いは、まだ言えない。
なぁ、コラさん。
おれはいつか、彼女に伝えられるだろうか。
どんなに手を伸ばしても、決して届くことのない場所への片道切符を握り締めて、
たったひとりで、遥か遠くへと旅立ってしまったあなたに、
一度たりとも、伝えられなかった言葉を。
半ば怒鳴り付けるようなサンジの声に、いつもならば突っかかるはずのゾロは、どこか不自然な冷静さを見せていた。
「そのままの意味だ、あの舞踏会になまえがいた」
あまりにも急な話の展開に、頭がついていかない。
人違いじゃないのか、本当に間違いないのかとウソップやフランキーが念押しするように聞くが、間違いない、ときっぱり言い切ったゾロに、仲間たちは顔を見合わせた。
ゾロがこんなたちの悪い冗談をいう男ではないということはわかっている。
しかし、確実にわかることはひとつ。
彼女は、この島にいるという事実だ。
とにかくなまえを探そうと船を降りようとした仲間たちを、待って、と引き留めたのはナミだった。
彼女は、自分達を敵だと思っている。
きっと仮面をつけていたから、ゾロだとわからなかったのだろう。
仮に見つけたとしても、自分達の姿を見れば、また白ひげの元へ向かう前の、あの時の二の舞になってしまうのではないか。
彼女にはそんな不安がよぎっていた。
ナミの気持ちは痛いほどわかる。
特に、彼女に無理やり麻酔を打っていたチョッパーは、それを思い出したのか俯いてしまった。
「・・・なまえを心配してるのは、おれたちだけじゃねェ。エースだって、みんな心配してる」
ゾロが会ったのが、本当に彼女なのか、それだけでも分かればいい。
それは自分達だけの問題ではなく、エースたちを安心させるためでもある。
エース達でさえ、彼女が生きているのかわからないのだ。
本当は船に連れて帰れたらいいが、それが簡単にはいかないことは、重々理解している。
とにかく無事なのかどうか、それだけでもわかればいいのだ。
そうだろ?とナミに諭すように言ったルフィに、ナミは頷いた。
やはりルフィは船長なのだ。安心感があるのだろう。
彼女から不安の表情は消えていた。
一味は、いっせいに船から降りていった。
「キャプテン!出航準備出来ましたー!」
海岸にいたローの耳に、シャチの声が届く。
しばらく滞在したこの島とも、お別れ。
「行くか」
ローの短い言葉に、なまえは笑顔で頷いた。
少しずつ、近付いているのだと思いたい。
おれが一方的に、距離を縮めているだけなのだけれど。
本当の想いは、まだ言えない。
なぁ、コラさん。
おれはいつか、彼女に伝えられるだろうか。
どんなに手を伸ばしても、決して届くことのない場所への片道切符を握り締めて、
たったひとりで、遥か遠くへと旅立ってしまったあなたに、
一度たりとも、伝えられなかった言葉を。