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この世界には、とんでもない偶然というものが存在する。
どんな状態かわからないということは、言い換えればどんな結末に転がってもおかしくない。そういうことになる。
世界は思ったよりも単純で、それを複雑にしているのは他でもない、自分自身なのかもしれない。
様々な角度に秘められた可能性をどれだけ想定し、どれだけ信じることが出来るのか。
そしてそれが紛れもない真実だった時に、いかに受け入れることが出来るのか。
すべては自分自身の考えなのだ。
気付けば月は高く上がり、星は美しく輝いていて。
狙撃主と船医が迎えに来てくれたおかげで、やっと船へと戻れた剣士を待っていたのは、予想通り烈火のごとく怒っていた航海士からのきついお説教だった。
どこか上の空の剣士の様子に気付いた航海士は、さらに怒った様子でちゃんと聞いているのかと問いかけるが、返ってきた返事ですらとてつもなく曖昧で、彼女は深くため息をついた。
自分が方向音痴であることを、いい加減に自覚してほしいものだ。
剣士も怒られているのはわかっているし、仲間に迷惑をかけてしまったのもわかっているが、説教の内容など頭に入ってこない。
彼女がどうしてこの島にいるのか。
どうやって辿り着いたのか。
ひとりでいるのか、それとも、誰かといるのか。
次から次へと疑問ばかりが浮かび上がる。
あからさまにいつもと様子が違う剣士に、さすがに皆が首を傾げた。
「何か変だぞお前?何かあったのか?」
鈍い船長ですらそう言うぐらいに、彼の様子はおかしかった。
けれど、あの場面に出くわして、この船の誰が冷静でいられるのだろう。
「・・・生きてる」
「え?」
今まで一言も喋らなかった剣士が、小さく告げた言葉に皆が驚愕するまでの時間は、ほんの数秒後。
そしてそれは、歯車が動き出す数秒前。
“なまえに・・・会った”
どんな状態かわからないということは、言い換えればどんな結末に転がってもおかしくない。そういうことになる。
世界は思ったよりも単純で、それを複雑にしているのは他でもない、自分自身なのかもしれない。
様々な角度に秘められた可能性をどれだけ想定し、どれだけ信じることが出来るのか。
そしてそれが紛れもない真実だった時に、いかに受け入れることが出来るのか。
すべては自分自身の考えなのだ。
気付けば月は高く上がり、星は美しく輝いていて。
狙撃主と船医が迎えに来てくれたおかげで、やっと船へと戻れた剣士を待っていたのは、予想通り烈火のごとく怒っていた航海士からのきついお説教だった。
どこか上の空の剣士の様子に気付いた航海士は、さらに怒った様子でちゃんと聞いているのかと問いかけるが、返ってきた返事ですらとてつもなく曖昧で、彼女は深くため息をついた。
自分が方向音痴であることを、いい加減に自覚してほしいものだ。
剣士も怒られているのはわかっているし、仲間に迷惑をかけてしまったのもわかっているが、説教の内容など頭に入ってこない。
彼女がどうしてこの島にいるのか。
どうやって辿り着いたのか。
ひとりでいるのか、それとも、誰かといるのか。
次から次へと疑問ばかりが浮かび上がる。
あからさまにいつもと様子が違う剣士に、さすがに皆が首を傾げた。
「何か変だぞお前?何かあったのか?」
鈍い船長ですらそう言うぐらいに、彼の様子はおかしかった。
けれど、あの場面に出くわして、この船の誰が冷静でいられるのだろう。
「・・・生きてる」
「え?」
今まで一言も喋らなかった剣士が、小さく告げた言葉に皆が驚愕するまでの時間は、ほんの数秒後。
そしてそれは、歯車が動き出す数秒前。
“なまえに・・・会った”