178°

Your Name?

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Your Name?

ゆったりとした音楽に合わせて踊る中、おもむろに口を開いたのはゾロだった。

「お前、ちゃんと食ってんのか」

ドレスを着るには確かに細い身体の方がいいのかもしれないが、予想以上の細さに戸惑ってしまう。
ゾロが少し力を入れれば、この身体は簡単に折れてしまうだろう。

「はい、一応は・・・・」

なんとなく、感じる違和感。
それは会話の内容ではなく、彼女の声にだった。

どこかで、会ったか?

仮面を付けているので、顔はわからないが、恐らく彼女はこの島の人間だろう。
でも、どこか覚えがあるようなー
なんとなくだが、初めて会ったことがあるような、不思議な感覚だった。

ふと周りを見渡せば、仲間たちがゾロを見ていた。
ロビンは微笑ましそうに、ナミはよく相手を見つけたわね、とでも言わんばかりの顔で、サンジは100%からかうような笑顔で。
船に戻ったら、話のネタにされるに違いない。

はぁ、と今日何回目になるかわからないため息をつくと、女は心配そうにゾロの顔を見上げた。

「あの・・・疲れました?」

彼女はダンスに疲れたのだと勘違いしたのだろう。
そうではないことを伝えると、良かった、と安心したように言った。

「・・・・・・」

やっぱり、初めて聞く声ではない。
そう告げる自分の勘は正しいのか、否か。

「なぁ、お前・・・名前、何て言うんだ」

ゾロが名前を聞いたと同時に曲が終わってしまった。

「あっ、私、もう行かないと・・・・」

ありがとうございました、と頭を下げて離れた彼女が告げた言葉に衝撃を受け、ひとりで会場を飛び出すゾロの姿を見るのは、この数秒後の話である。




“私の名前は、なまえと申します”




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