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空がだんだん明るくなってきていた。
いつもは寝坊ばかりのハートの海賊団のクルー達だが、今日はこぞって早起きをして、キッチンの扉が開くのを待っていた。
理由は簡単、なまえが朝食を作っているのだ。
彼女が手作りの食事を振る舞うのは初めてで、よほど楽しみにしていたのか、皆集まる時間がいつもよりも早い。
ローは夜中まで作業をしていたせいか、まだ来ていなかった。
それは決して珍しい光景ではなく、ローは普段から最後に食事をとることが多かった。
おまちどおさま、と言ってなまえがキッチンのドアを開けると、クルーたちは待ってましたと言わんばかりに飛び込むように中に入り、テーブルに並ぶ美味しそうな料理に目を輝かせた。
なまえ作ったメニューは、前の島で調達した、雪の下で育つという野菜を使ったサラダ、スープ、オムレツ、そして島で採れた木の実を入れた焼きたてのパン。
嬉しそうな声が上がる中、カゴに積まれたパンの山を見て、あっ、と小さく声を溢したのはシャチだった。
彼女は、ローがパン嫌いなことを知らない。
それに気付いた時には、遅かった。
喜ぶクルー達の顔を横目にスープをよそっているなまえに、ベポ達はローがパン嫌いであることを、なかなか伝えられない。
この様子だと、パン以外に用意しているようには見えない。
クルー達が順々に朝食を食べ始める中、どうしたらいいのか、どう伝えたらいいのかとベポやシャチ、ペンギンがひたすら頭を悩ませている内に、ローがキッチンへとやって来てしまった。
『おはようございます、ローさん』
あぁ、と小さく返事を返し、テーブルに置かれたパンの山を無言で見つめるロー。
前の島で調達した食材で作ったと嬉しそうにローに告げる彼女は、まさかそんな事情はまったく知らない。
もはやこれまで、隠せないと思ったベポは、リヤの耳に顔を近付け、こっそりと切り出した。
「あのね、なまえ。キャプテン、実はパンが・・・・」
嫌いなんだよ、と言おうとした矢先、ローはパンをひとつとると、躊躇いもなくかじりついた。
「・・・美味ェ」
今まで、ローがパンを食べた姿など、一度も見たことがない。
1つ食べて終わるかと思ったが、ローは次から次へと焼きたてのパンに手を伸ばす。
ベポたちの葛藤など何も知らずに、良かったわ、と笑顔でローにコーヒーを差し出すリヤの姿は、まるで天使だ。
そんな2人の姿を、3人はほっとしたような、不思議なような、変な感覚に陥りながら、ただただ見つめていることしか出来なかった。
いつもは寝坊ばかりのハートの海賊団のクルー達だが、今日はこぞって早起きをして、キッチンの扉が開くのを待っていた。
理由は簡単、なまえが朝食を作っているのだ。
彼女が手作りの食事を振る舞うのは初めてで、よほど楽しみにしていたのか、皆集まる時間がいつもよりも早い。
ローは夜中まで作業をしていたせいか、まだ来ていなかった。
それは決して珍しい光景ではなく、ローは普段から最後に食事をとることが多かった。
おまちどおさま、と言ってなまえがキッチンのドアを開けると、クルーたちは待ってましたと言わんばかりに飛び込むように中に入り、テーブルに並ぶ美味しそうな料理に目を輝かせた。
なまえ作ったメニューは、前の島で調達した、雪の下で育つという野菜を使ったサラダ、スープ、オムレツ、そして島で採れた木の実を入れた焼きたてのパン。
嬉しそうな声が上がる中、カゴに積まれたパンの山を見て、あっ、と小さく声を溢したのはシャチだった。
彼女は、ローがパン嫌いなことを知らない。
それに気付いた時には、遅かった。
喜ぶクルー達の顔を横目にスープをよそっているなまえに、ベポ達はローがパン嫌いであることを、なかなか伝えられない。
この様子だと、パン以外に用意しているようには見えない。
クルー達が順々に朝食を食べ始める中、どうしたらいいのか、どう伝えたらいいのかとベポやシャチ、ペンギンがひたすら頭を悩ませている内に、ローがキッチンへとやって来てしまった。
『おはようございます、ローさん』
あぁ、と小さく返事を返し、テーブルに置かれたパンの山を無言で見つめるロー。
前の島で調達した食材で作ったと嬉しそうにローに告げる彼女は、まさかそんな事情はまったく知らない。
もはやこれまで、隠せないと思ったベポは、リヤの耳に顔を近付け、こっそりと切り出した。
「あのね、なまえ。キャプテン、実はパンが・・・・」
嫌いなんだよ、と言おうとした矢先、ローはパンをひとつとると、躊躇いもなくかじりついた。
「・・・美味ェ」
今まで、ローがパンを食べた姿など、一度も見たことがない。
1つ食べて終わるかと思ったが、ローは次から次へと焼きたてのパンに手を伸ばす。
ベポたちの葛藤など何も知らずに、良かったわ、と笑顔でローにコーヒーを差し出すリヤの姿は、まるで天使だ。
そんな2人の姿を、3人はほっとしたような、不思議なような、変な感覚に陥りながら、ただただ見つめていることしか出来なかった。