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太陽が、沈もうとしていた。
夕食の時間まで、皆それぞれ思い思いの時間を過ごしている中、サニー号のキッチンに、食器の割れる派手な音が響いた。
やっちまった、とサンジはタバコを噛んだ。
音を聞き付けたウソップが、大丈夫かと言いながらキッチンへと駆け込んでくる。
皿は粉々に割れて、あちこちに破片が飛び散っていた。
「めずらしいな、サンジが皿割るなんて」
そう言われるのもおかしくはない。
道具を大切に扱うサンジが食器を割ったのは、今まで長く旅をしてきた中でもほんの数回程度。
それも波で船が揺れたとか、事故と呼ばれるような、不測の事態が起こって割ったぐらいしかない。
「ああ、ちょっと・・・考え事してた。悪いな」
ウソップはそうか、と一言だけ返して、一緒に破片を拾い始めた。
2人の会話はそこで途切れ、すべての破片を拾い終わるまでお互い無言だった。
全部拾い終わり、気を付けろよ、とウソップが声をかけてキッチンを出ていくまでの時間がやけに長く感じたのは、きっと気のせいではない。
何も聞かないでいてくれたのは、彼なりの優しさなのだろう。
彼女が行方不明になったと、
生きているのかさえもわからないと、
エースにそう告げられた、あの日から。
楽しかった冒険の日々は、粉々に砕け散った。
ーまるで、この皿のように。
仲間たちからも笑顔が消えて、賑やかだったサニー号は静まり返った。
毎日笑い声が聞こえていた、あの当たり前の日々が、ひどく懐かしくなるほどに。
当たり前の日々がどれほどありがたいものだったのか、
それに気付いた時には遅いのだと、
気付かなかった自らの愚かさに、今になってやっと気付く。
なまえちゃん、
たとえ君が、おれたちの事を忘れてしまっていたとしても、
生きていてくれさえすれば。
もうそれ以上は、何も望まない。
だから、どうか。
どこかで生きていて欲しい。
彼女の命と引き換えに、この命を差し出せと言われたら、喜んでくれてやるというのに。
こんなことになるのなら、伝えておけば良かったのだろうか。
冗談だと笑われても、たとえ届かなかったとしても。
そんな想いばかりが募ってゆく。
今ならいくらでも言えるよ、
なまえちゃん。
おれ、君が好きだ。
もう、どうしようもないくらいに。
夕食の時間まで、皆それぞれ思い思いの時間を過ごしている中、サニー号のキッチンに、食器の割れる派手な音が響いた。
やっちまった、とサンジはタバコを噛んだ。
音を聞き付けたウソップが、大丈夫かと言いながらキッチンへと駆け込んでくる。
皿は粉々に割れて、あちこちに破片が飛び散っていた。
「めずらしいな、サンジが皿割るなんて」
そう言われるのもおかしくはない。
道具を大切に扱うサンジが食器を割ったのは、今まで長く旅をしてきた中でもほんの数回程度。
それも波で船が揺れたとか、事故と呼ばれるような、不測の事態が起こって割ったぐらいしかない。
「ああ、ちょっと・・・考え事してた。悪いな」
ウソップはそうか、と一言だけ返して、一緒に破片を拾い始めた。
2人の会話はそこで途切れ、すべての破片を拾い終わるまでお互い無言だった。
全部拾い終わり、気を付けろよ、とウソップが声をかけてキッチンを出ていくまでの時間がやけに長く感じたのは、きっと気のせいではない。
何も聞かないでいてくれたのは、彼なりの優しさなのだろう。
彼女が行方不明になったと、
生きているのかさえもわからないと、
エースにそう告げられた、あの日から。
楽しかった冒険の日々は、粉々に砕け散った。
ーまるで、この皿のように。
仲間たちからも笑顔が消えて、賑やかだったサニー号は静まり返った。
毎日笑い声が聞こえていた、あの当たり前の日々が、ひどく懐かしくなるほどに。
当たり前の日々がどれほどありがたいものだったのか、
それに気付いた時には遅いのだと、
気付かなかった自らの愚かさに、今になってやっと気付く。
なまえちゃん、
たとえ君が、おれたちの事を忘れてしまっていたとしても、
生きていてくれさえすれば。
もうそれ以上は、何も望まない。
だから、どうか。
どこかで生きていて欲しい。
彼女の命と引き換えに、この命を差し出せと言われたら、喜んでくれてやるというのに。
こんなことになるのなら、伝えておけば良かったのだろうか。
冗談だと笑われても、たとえ届かなかったとしても。
そんな想いばかりが募ってゆく。
今ならいくらでも言えるよ、
なまえちゃん。
おれ、君が好きだ。
もう、どうしようもないくらいに。