178°
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青いコートに白いマフラー、ロングブーツを履いたなまえはベポに見送られ、ローと船を下りた。
しかし、雪が予想以上に深く、思うように歩けない。
少し前をさくさくと歩くローは何も言わないものの、なまえのペースに合わせて歩いているのは明らかだった。
雪道に慣れている彼が、こんなにのんびり歩く訳がない。
誘ってくれたのは良いのだが、早く町へ行きたい彼にとって、この状態の自分は足手まとい以外の何物でもないだろう。
『ローさん』
少し前を歩く彼の後ろ姿に呼びかけると、ローはどうした、と言って振り返る。
やっぱり船で待ってます、と言うと、彼はは怪訝そうな顔をした。
「身体、キツいのか」
『いえ、身体は大丈夫ですけど・・・ご迷惑になってしまいますから』
だから戻ります、と言ったなまえに、ローは言葉が出なかった。
彼女は自分の歩くスピードが遅いのを、申し訳なく思っているのだろう。
自分はそんなこと、まったく気にしていないというのに。
彼女は優しいからこそ、自分のことを気にかけて言っているのだとわかっているが、自分はそんなに器が小さく見えるのだろうか。
そんなことを気にするくらいなら、最初から誘ってなどいない。
ちょっと待ってと、一言そう言ってくれればいいのに。
それ以前に、彼女にとって自分はそれすらも言えるような存在ではないのかもしれないと思うと、どこか複雑な気分だった。
まだ、自分と彼女の間には、壁があると思い知らされるのだ。
ローはなまえの元へと歩み寄ると、ほら、と差し出した右手で冷えた彼女の左手を握った。
「おれは迷惑だなんて、欠片も思っちゃいない」
ただ、一緒にいられればいいんだ。
だから、余計な心配するな。
本当はそう言えたらいいのだが、そう言えない自分も悪いのだと理解はしている。嫌というほど。
ぶっきらぼうではあったが、なまえを安心させるには、十分な言葉だった。
『ありがとう・・・』
小さくお礼を言って、彼女もローの手を握り返す。
しっかりと繋がれた二人の手。
外科医の顔が少しだけ赤く染まっているように見えたのは、寒さのせいか、それとも。
しかし、雪が予想以上に深く、思うように歩けない。
少し前をさくさくと歩くローは何も言わないものの、なまえのペースに合わせて歩いているのは明らかだった。
雪道に慣れている彼が、こんなにのんびり歩く訳がない。
誘ってくれたのは良いのだが、早く町へ行きたい彼にとって、この状態の自分は足手まとい以外の何物でもないだろう。
『ローさん』
少し前を歩く彼の後ろ姿に呼びかけると、ローはどうした、と言って振り返る。
やっぱり船で待ってます、と言うと、彼はは怪訝そうな顔をした。
「身体、キツいのか」
『いえ、身体は大丈夫ですけど・・・ご迷惑になってしまいますから』
だから戻ります、と言ったなまえに、ローは言葉が出なかった。
彼女は自分の歩くスピードが遅いのを、申し訳なく思っているのだろう。
自分はそんなこと、まったく気にしていないというのに。
彼女は優しいからこそ、自分のことを気にかけて言っているのだとわかっているが、自分はそんなに器が小さく見えるのだろうか。
そんなことを気にするくらいなら、最初から誘ってなどいない。
ちょっと待ってと、一言そう言ってくれればいいのに。
それ以前に、彼女にとって自分はそれすらも言えるような存在ではないのかもしれないと思うと、どこか複雑な気分だった。
まだ、自分と彼女の間には、壁があると思い知らされるのだ。
ローはなまえの元へと歩み寄ると、ほら、と差し出した右手で冷えた彼女の左手を握った。
「おれは迷惑だなんて、欠片も思っちゃいない」
ただ、一緒にいられればいいんだ。
だから、余計な心配するな。
本当はそう言えたらいいのだが、そう言えない自分も悪いのだと理解はしている。嫌というほど。
ぶっきらぼうではあったが、なまえを安心させるには、十分な言葉だった。
『ありがとう・・・』
小さくお礼を言って、彼女もローの手を握り返す。
しっかりと繋がれた二人の手。
外科医の顔が少しだけ赤く染まっているように見えたのは、寒さのせいか、それとも。