ルジカは出稼ぎのために他の島へ出ており、故郷に帰ろうとしていた最中だった。
しかし、途中で乗っていた客船が海賊に襲われ、連れ去られたらしい。
連れ去られてから何日経ったかはわからないが、彼女は突然体調が悪くなり、高熱を出した。
彼女の異変に気付いた海賊たちは、感染したら困ると言って処置も何もせずに、高熱で苦しむ彼女を、立ち寄ったこの島に置き去りにしたらしい。

ひどいことをするわ、と言ったロビンに、人間として最低だな、とサンジも言葉を付け加えた。
チョッパーたちに見つけてもらえたのが、彼女にとっては不幸中の幸いだったというところだろうか。
助けてくれてありがとう、とルジカは深々と頭を下げた。

彼女の故郷は、リガルという島らしい。

「ちょっと待って！そこって、ちょうど私たちが向かっている島よ」

ナミがそう言うと、ルジカは本当ですか、と驚いたようにナミを見た。
到着するまであと数日はかかるらしいが、いずれにせよ彼女にとっては幸運な話だ。
良かったな、とルフィが笑うが、ルジカは迷惑になるのではないかと表情を曇らせた。
そんな彼女に、何言ってるのよ、と明るくナミが声をかけた。

「迷惑なら、最初から助けたりしないわよ」

「これも何かの縁ってやつだ、余計な心配しないで乗っていけ。目的地は同じなんだからよ」

フランキーも力強く声をかけると、ふたりの言葉に安心したのか、ルジカはありがとう、と言って微笑んだ。

こうしてしばらくの間、ルジカを乗せて、サニー号は航海をすることとなった。