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「きゃあああああ!!」
時刻は夜明け前。
まだ静かなサウザンド・サニー号に響いたのは、若い女の悲鳴だった。
それに真っ先に気付いたのは、朝食の仕込みをしていたコックと、不寝番をしていた船大工。
一体何事かと、悲鳴が聞こえた医務室へと向かうと、わたわたと慌てる音楽家と、涙目になっている女の姿があった。
その状況を見た途端、ブルックが彼女に何かしたのではないかという疑念がサンジの頭を過り、彼を鋭くぎろりと睨みつける。
今にも蹴り飛ばされそうな、恐ろしいほどの殺気を含んだその視線に、ブルックは誤解です、何もしていません!と大声で否定した。
「ごめんなさい!目が覚めたら、ガイコツさんが目の前にいたから、私、びっくりして・・・!」
彼女の言葉に、3人はああ、そうかと納得したように顔を見合わせた。
当然といえば当然の反応なのだ。
自分たちはブルックの姿に慣れてしまっているが、彼はガイコツ、骨である。
目が覚めて、自分の目の前にガイコツがいるのだ、お化け屋敷でもない限り、普通ならば絶対に有り得ない状況に驚かない方がおかしい。
平気で面白がるのはおそらく、ルフィぐらいだろう。
基本的にはチョッパーが彼女を看ていたのだが、さすがに24時間付きっきりというのも大変なので、交代で付き添って彼女の目が覚めるのを待っていた。
ちょうどブルックが看ていた時に、彼女が目を覚ましたというわけだ。
一言で言うならば、タイミングが悪かったということだろう。
驚かせてすみませんと、ブルックは深々と頭を下げて謝った。
そうこうしている内に、騒がしいのに気がついたのか、まだ朝早い時間だというのに、他の仲間たちも、続々と医務室へとやって来た。
「良かった、気がついたのね」
目を覚ましたのを見て、ナミはとりあえず一安心ね、といったような表情を浮かべた。
どこか痛むところはないかと、心配そうに駆け寄るチョッパーの姿を見て、彼女は目を丸くした。
「た、たぬき・・・?」
ぽつりとそう呟いた言葉に、チョッパーはたぬきじゃない、トナカイだといつものようにお決まりの言葉を返す。
「美しいプリンセス、お名前は?」
目をハートにしたサンジがチョッパーの間に割り込み、さりげなく手を握って名前を訪ねる。
「私はルジカといいます」
にっこりと微笑んで答えたその姿にノックアウトされたのか、なんて素敵な名前なんだ!とひとり騒ぎはじめたサンジの姿を見て、また病気が始まったとゾロはため息をつく。
そんなため息を聞いたサンジとゾロの喧嘩がはじまり、それをナミがやかましいと一喝して収める。
今までは当たり前だった光景だったが、それは久しぶりに戻ってきた。
「それよりお前、なんであんな森で倒れてたんだ?この島に住んでるのか?」
「いいえ・・・・」
ウソップからの質問に、ルジカは悲しげな表情で首を横にふった。