178°
Your Name?
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
それを訊くには、少しだけ勇気が必要だった。
控えめなノックの音に、開いてる、とだけ返事を返す。
ドアの先にはなまえが立っていて、その手には必ずコーヒーがある。
それがいつの間にか、いつもの筋書きになっていた。
座るように促すと、彼女は素直に椅子に腰掛けた。
差し出されたコーヒーを受けとるまでは良かったが、ローはなかなか本題に切り出すことが出来なかった。
なぜ切り出せないのかと問われても、それも答えられない。 不思議な感覚に、戸惑っているのはロー自身だった。
黙り混んでいるローに、なまえは首を傾げた。
それもそのはず、話があると呼び出したのはローの方なのだから。
「・・・必要なものは揃ったのか」
やっと出た言葉はそれだった。
そんなことを訊きたいのではないのに、答えが分かりきっているそれしか言葉をかけられなかった。
必要なものを揃えさせるために大金を渡し、わざわざベポを同行させたのだ、揃っていない方がおかしいのだが。
そんな彼の葛藤も知らず、彼女は礼を言って微笑んだ。
彼は迷っていたのだ、
白ひげ海賊団に、彼女の無事を知らせるべきかどうかを。
仲間を家族と呼び、仁義を重んじ、決して誰かを無意味に傷つけることなく、なおかつ世界最強と呼ばれるほどの海賊が、彼女を意味なく船に乗せる訳がない。
どのような理由で、彼女が船に乗っていたのかは知らない。
けれど、白ひげ海賊団にいたのならば、彼らは間違いなくなまえを探しているだろう。
ローは白ひげ宛てに、手紙を書こうとしていたのだ。
彼女が無事であることを、知らせるために。
けれど、彼女が生きていることを望んでいないのかもしれないという可能性が頭を過った時、書きかけの手紙は破いてしまった。
そこまでする義理もない、と言ってしまえば、教えない理由もつけることも出来る。
けれど彼は知りたいのだ、彼女の真意と、真実を。
あの言葉の、本当の意味を。
彼女が一度、生きることを諦めた理由を。
「なぁ、なまえ・・・・」
彼女からどんな答えが返ってきても、ひとつだけ揺るがないものは、
あの日、彼女を助けると、
そう自分自身が決断を下したことを、
決して悔やむことはないということだけ。
「単刀直入に訊く。本当の事を教えてくれ」
仮に世界が彼女を否定したとしても、
ローが彼女を否定する理由はどこにもない。
「何があった、白ひげの船で」
彼は扉を開けようとしている。
果たしてその先に、一体何が待ち受けているのかはわからない。
それでも開けてみようと思うのは、好奇心か、それとも罪となるのか。
控えめなノックの音に、開いてる、とだけ返事を返す。
ドアの先にはなまえが立っていて、その手には必ずコーヒーがある。
それがいつの間にか、いつもの筋書きになっていた。
座るように促すと、彼女は素直に椅子に腰掛けた。
差し出されたコーヒーを受けとるまでは良かったが、ローはなかなか本題に切り出すことが出来なかった。
なぜ切り出せないのかと問われても、それも答えられない。 不思議な感覚に、戸惑っているのはロー自身だった。
黙り混んでいるローに、なまえは首を傾げた。
それもそのはず、話があると呼び出したのはローの方なのだから。
「・・・必要なものは揃ったのか」
やっと出た言葉はそれだった。
そんなことを訊きたいのではないのに、答えが分かりきっているそれしか言葉をかけられなかった。
必要なものを揃えさせるために大金を渡し、わざわざベポを同行させたのだ、揃っていない方がおかしいのだが。
そんな彼の葛藤も知らず、彼女は礼を言って微笑んだ。
彼は迷っていたのだ、
白ひげ海賊団に、彼女の無事を知らせるべきかどうかを。
仲間を家族と呼び、仁義を重んじ、決して誰かを無意味に傷つけることなく、なおかつ世界最強と呼ばれるほどの海賊が、彼女を意味なく船に乗せる訳がない。
どのような理由で、彼女が船に乗っていたのかは知らない。
けれど、白ひげ海賊団にいたのならば、彼らは間違いなくなまえを探しているだろう。
ローは白ひげ宛てに、手紙を書こうとしていたのだ。
彼女が無事であることを、知らせるために。
けれど、彼女が生きていることを望んでいないのかもしれないという可能性が頭を過った時、書きかけの手紙は破いてしまった。
そこまでする義理もない、と言ってしまえば、教えない理由もつけることも出来る。
けれど彼は知りたいのだ、彼女の真意と、真実を。
あの言葉の、本当の意味を。
彼女が一度、生きることを諦めた理由を。
「なぁ、なまえ・・・・」
彼女からどんな答えが返ってきても、ひとつだけ揺るがないものは、
あの日、彼女を助けると、
そう自分自身が決断を下したことを、
決して悔やむことはないということだけ。
「単刀直入に訊く。本当の事を教えてくれ」
仮に世界が彼女を否定したとしても、
ローが彼女を否定する理由はどこにもない。
「何があった、白ひげの船で」
彼は扉を開けようとしている。
果たしてその先に、一体何が待ち受けているのかはわからない。
それでも開けてみようと思うのは、好奇心か、それとも罪となるのか。