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この世界は単純だと、いつもそう思う。
地位と権力というものが重要視される限り、この世の法則など、決して変わりはしないのだろう。
善か、悪か。
唯一の違いはそれだけで、それ以上に答えを見出だす必要性もない。
善悪の判断すら危うい存在が、頂点に立つのも笑えるほどおかしい話だが。
ろうそくの火が、ローの周りだけを照らしていた。
羽ペンを持つ彼の指は、便箋に小綺麗な字を並べていた。
権力者の気まぐれな一言は、
時に誰かの人生を狂わせる。
幼い頃の、自分のように。
そして今になって気付くのだ。
自分が今、その立場に立っていることを。
彼女にとっての“権力者”が、自分であることを。
ふいに手が止まる。
今、この世界で、
彼女が今、この場所で、
ローと同じ時間を共有することを、
否定する存在がいるかもしれない。
“どうして私を助けたの”
そしてそれを一番否定しているのは、
彼女自身なのかもしれない。
そうなれば、自分が今しようとしていることは正しいのか、間違いなのか。
彼女がこの世に存在することは、果たして“白”なのか、 “黒”なのか。
ローは柄にもなく、迷っていた。
自分が下した判断は、
彼女の運命をどのようにねじ曲げたのか。
そしてこれから、
どのように変えていくのだろうか。
自分が開けようとしているのは、希望への扉か、それとも絶望への扉か。
書きかけの手紙、
揺れたろうそくの灯、
置かれた羽ペン、
並べられた、小綺麗な文字。
午前4時、夜明け前。
自分はまだ、彼女のことを何も知らない。
地位と権力というものが重要視される限り、この世の法則など、決して変わりはしないのだろう。
善か、悪か。
唯一の違いはそれだけで、それ以上に答えを見出だす必要性もない。
善悪の判断すら危うい存在が、頂点に立つのも笑えるほどおかしい話だが。
ろうそくの火が、ローの周りだけを照らしていた。
羽ペンを持つ彼の指は、便箋に小綺麗な字を並べていた。
権力者の気まぐれな一言は、
時に誰かの人生を狂わせる。
幼い頃の、自分のように。
そして今になって気付くのだ。
自分が今、その立場に立っていることを。
彼女にとっての“権力者”が、自分であることを。
ふいに手が止まる。
今、この世界で、
彼女が今、この場所で、
ローと同じ時間を共有することを、
否定する存在がいるかもしれない。
“どうして私を助けたの”
そしてそれを一番否定しているのは、
彼女自身なのかもしれない。
そうなれば、自分が今しようとしていることは正しいのか、間違いなのか。
彼女がこの世に存在することは、果たして“白”なのか、 “黒”なのか。
ローは柄にもなく、迷っていた。
自分が下した判断は、
彼女の運命をどのようにねじ曲げたのか。
そしてこれから、
どのように変えていくのだろうか。
自分が開けようとしているのは、希望への扉か、それとも絶望への扉か。
書きかけの手紙、
揺れたろうそくの灯、
置かれた羽ペン、
並べられた、小綺麗な文字。
午前4時、夜明け前。
自分はまだ、彼女のことを何も知らない。