伸ばしたその手は蒼き世界へ
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この島は、昔はある国家であったこと。
かつてのこの王国に、ある伝説が受け継がれていたこと。
その伝説の力を受け継がれた、選ばれし者がいること。
その力に目を付けた魔術師が、急襲してきたこと。
闇魔術に太刀打ち出来る術はなく、国は滅んでしまったこと。
少し昔話をしようか、と、クリストはゆっくりと話始めた。
“七色の 眩き光 時を越え 遥かな未来へ 幸をもたらす”
“選ばれし 神のみが持つ この力を”
“希望をもたらす この力を”
“人々は 奇跡と呼んだ”
その昔 それは立派な身なりの男が、荒廃した島の浜へと流れ着いた。
男は酷い怪我をしており、動くことも出来ず、今にも力尽きようとしていた。
そんな男を島の娘が見つけ、看病をした。
その娘には身寄りがおらず、一人寂しく、貧しい暮らしをしていたが、娘は男を見捨てなかった。
娘の献身の介抱により、男はすっかり元気になった。
男は娘に礼を言うと、突然男の身体が七色に輝き始めた。
男は、七つの自然を司る伝説の神、虹神だったのだ。
自分を見捨てず看病をした娘の優しさと、
荒廃した土地で島民が貧しい暮らしを強いられていることを知った虹神は、礼として娘に七つの力を分け与えた。
炎、光、雷、大地、水、海、風の、七つの力を。
自分の力で、島が豊かになるようにとの祈りを込め、美しく心優しい娘に、虹神は自分の力を捧げた。
娘は虹神の告げた通りに、力を使って島を豊かにした。
荒れ果てていた島は、見違えるほど美しくなった。
貧しかった島民の暮らしも一変し、豊かになった。
しかし、それだけでは収まらなかった。
島の人間は娘に嫉妬し、自分達も神の力を手に入れようと、娘に暴力を振るうようになる。
それを知った虹神は怒り、黒い炎で島を焼き付くした。
怒り狂う虹神と、一瞬にして変わり果てた島の姿に、人々は自らの行いと欲深さを反省し、神の力を借りることなく、自分達の手で島を豊かにすることを誓った。
娘は神に見初められ、二人は幸せに暮らした。
神に愛されたその娘は、後に女神と呼ばれるようになる。
二人の姿を見ることは二度となかったが、二人が通った場所には、美しい虹が掛かるという。