伸ばしたその手は蒼き世界へ
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直感とは不思議なもので、それが時に重要なきっかけになることもある。
ロビンは時間も忘れて、石碑の文字の解読に勤しんでいた。
頭脳明晰、常に冷静な彼女でさえ、戸惑っていた。
解読すればするほど、疑念は確信へと変わっていく。
「見慣れない顔だね、旅の人かな」
はっとして振り返ると、見るからに穏やかそうな、小柄な年配の男性が、不思議そうにロビンを見ていた。
無人島だと思っていた島に人がいること、
そして声を掛けられるまで、後ろに誰かがいたことにすら気付かないほどに没頭していた自分自身に驚きつつも、ええ、と優しく言葉を返した。
石碑の周りに散らばる手帳や本を見て、ロビンが石碑の文字を解読しているのだとわかったのだろう。
これに興味があるのかい?と訊かれ、自身が考古学者であることを告げ、このような歴史ものには目がないことを告げると、老人は私と同じだ、と笑った。
男はクリストと名乗った。
この島は昔は栄えていたが、今はクリスト以外、誰もは住んでいないらしい。
確かに、この島には人の気配はなかった。
それが幸いし、大きな研究所を構えて誰にも邪魔をされることなく、ひとりのんびりと歴史や考古学を専門に研究をしているとの言葉に、これは幸運の出会いだと直感したロビンは、調べていることがある、と切り出した。
「訳があって、私は今・・・闇魔術のことを調べているの。何かご存知ないかしら」
そのフレーズに、クリストの顔色が明らかに変わった。
「お嬢さん、今・・・何ておっしゃったかな」
この反応は間違いなく、彼は何かを知っている。
そう確信したロビンは、言葉を続けた。
仲間が、闇魔術をかけられてしまったこと。
助けるために日夜情報を探しているが、資料がまったくと言っていいほどに見つからないこと。
悪用するつもりは全くないことを全面に出し、どんなことでも良いから何か知らないかと問いかけた。
そんなロビンの問いかけに、クリストの表情は次第に暗く影を落とした。
「闇魔術とは・・・最悪の悪魔の呪いだ。かけられた者の命を支配してしまう。だから先人たちは、闇魔術に関するすべての資料を燃やした。この危険な術を二度と使えないように、この世から消し去るために・・・」
その言葉に、情報が見つからない理由がやっと理解できた。
すべて意図的に、消されていたのだ。
まるで、自分の故郷のように。
闇魔術は兵器を使わずとも、術者の気まぐれで国のひとつやふたつ、簡単に滅ぼすことが出来ること。
その危険度から、遊びで手を出す者がいないよう、世界政府は闇魔術をトップシークレットとして一切公表しなかったこと。
そう簡単に調べがつくものじゃないよ、と言い切ったクリストの言葉に納得したロビンの頭に、ひとつの新しい疑問が浮かんだ。
「なぜ博士は、そんな情報を知っているの?」
世界政府ですら極秘に扱っているのなら、彼がここまで知っているのは不可解だ。
そんな疑問は、彼の答えで急展開を迎えることとなる。
「この島は・・・この国は、闇魔術で滅んだんだ」
ロビンは時間も忘れて、石碑の文字の解読に勤しんでいた。
頭脳明晰、常に冷静な彼女でさえ、戸惑っていた。
解読すればするほど、疑念は確信へと変わっていく。
「見慣れない顔だね、旅の人かな」
はっとして振り返ると、見るからに穏やかそうな、小柄な年配の男性が、不思議そうにロビンを見ていた。
無人島だと思っていた島に人がいること、
そして声を掛けられるまで、後ろに誰かがいたことにすら気付かないほどに没頭していた自分自身に驚きつつも、ええ、と優しく言葉を返した。
石碑の周りに散らばる手帳や本を見て、ロビンが石碑の文字を解読しているのだとわかったのだろう。
これに興味があるのかい?と訊かれ、自身が考古学者であることを告げ、このような歴史ものには目がないことを告げると、老人は私と同じだ、と笑った。
男はクリストと名乗った。
この島は昔は栄えていたが、今はクリスト以外、誰もは住んでいないらしい。
確かに、この島には人の気配はなかった。
それが幸いし、大きな研究所を構えて誰にも邪魔をされることなく、ひとりのんびりと歴史や考古学を専門に研究をしているとの言葉に、これは幸運の出会いだと直感したロビンは、調べていることがある、と切り出した。
「訳があって、私は今・・・闇魔術のことを調べているの。何かご存知ないかしら」
そのフレーズに、クリストの顔色が明らかに変わった。
「お嬢さん、今・・・何ておっしゃったかな」
この反応は間違いなく、彼は何かを知っている。
そう確信したロビンは、言葉を続けた。
仲間が、闇魔術をかけられてしまったこと。
助けるために日夜情報を探しているが、資料がまったくと言っていいほどに見つからないこと。
悪用するつもりは全くないことを全面に出し、どんなことでも良いから何か知らないかと問いかけた。
そんなロビンの問いかけに、クリストの表情は次第に暗く影を落とした。
「闇魔術とは・・・最悪の悪魔の呪いだ。かけられた者の命を支配してしまう。だから先人たちは、闇魔術に関するすべての資料を燃やした。この危険な術を二度と使えないように、この世から消し去るために・・・」
その言葉に、情報が見つからない理由がやっと理解できた。
すべて意図的に、消されていたのだ。
まるで、自分の故郷のように。
闇魔術は兵器を使わずとも、術者の気まぐれで国のひとつやふたつ、簡単に滅ぼすことが出来ること。
その危険度から、遊びで手を出す者がいないよう、世界政府は闇魔術をトップシークレットとして一切公表しなかったこと。
そう簡単に調べがつくものじゃないよ、と言い切ったクリストの言葉に納得したロビンの頭に、ひとつの新しい疑問が浮かんだ。
「なぜ博士は、そんな情報を知っているの?」
世界政府ですら極秘に扱っているのなら、彼がここまで知っているのは不可解だ。
そんな疑問は、彼の答えで急展開を迎えることとなる。
「この島は・・・この国は、闇魔術で滅んだんだ」