伸ばしたその手は蒼き世界へ
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一体、何が起こったというのか。
隊長たちが、目を疑った。
倒れこんだマルコの前には、銃を構えた女が、静かに笑っていた。
「能力者はつくづく不便なものだな。海楼石ひとつが命取りとは・・」
「おいまさか・・あの銃弾・・!」
ビスタの予感は当たりだった。
リアティーはマルコに海楼石の銃弾を撃ち込んだのだ。
撃ち抜かれた肩から流れる血を、大粒の雨が洗い流す。
荒波で大きく揺れる船。
「再生は得意技ではないのか?」
状況を把握しながらわざと問いかける女を、マルコは強い視線で睨みつける。
「お前から地獄へ送ってやろうか、不死鳥マルコ・・」
銃口がマルコの頭を捕らえ、ビスタとジョズが飛び出すが、女がそれを許すことはなかった。
「動くな。動けば不死鳥の頭を撃ち抜くぞ」
その言葉に、ふたりは脚を止めざるを得ない。
人数と実力では明らかに有利でも、完全に、この状況下での優位は幻術師の方に傾いていた。
数秒の間に、現在の状況を打開する案を叩き出さなければならない。
実力者揃いの白ひげ海賊団の隊長たちが、ここまで緊迫した戦闘を課せられたことは、本当に数える程度しかない。
しかも今回、相手はたったひとりの女だ。
どうすればいい、どうしたら2人を救出できるのか。
皆が必死に頭を回転させる中、事態は大きく変化を遂げることとなる。
『やめてください。私はここです』
この場には決して似合わない、美しい声が響いた。
『彼らに手は出さないで。貴女の狙いは私でしょう』
大雨に打たれながらもきっぱりとそう告げたなまえの姿は、凛々しく。
何かを覚悟したようにも見えた。
そんななまえを目の前に、物分かりがいい人間は好きだと、リアティーは静かな笑みを浮かべる。
「なまえ、来るな!下がってろ!!」
そんなことを許すはずもないエースは、なまえに怒鳴りつける勢いで叫んだが、幻術師はそんな彼の頭を容赦なく蹴り飛ばし、甲板に叩き付けた。
「せっかくの申し出を台無しにするつもりか?あの女の方がお前よりもはるかに聡明だな」
不利な状況の打開策として、なまえが懸命な判断をしたと言えば、それは賢い話以外の何物でもなかった。
『私はあなたの条件を飲みます。その代わりに、あなたにも私の望みを聞いてもらいます』
なまえの言葉に、リアティーの目付きが変わった。
「なるほど、交換条件か・・お前がおとなしくこちらの要求を飲んでくれるならば、聞かざるを得ない。お前の望みはなんだ、言ってみろ」
てっきり、これ以上白ひげ海賊団に手を出さないことや、エースやマルコの解放を言うかと思ったのだが、どうもそうではないらしい。
皆の引き止める言葉を聞きながら、ゆっくりと自分の元へと歩み寄るなまえを見て、歌姫の確保は容易かったと、幻術師は満足げに不敵な笑みを浮かべた。
交換条件とは言えども、相場はわかっている。
一体何を望んでくれるのかと、ある意味で期待を込めて言葉を待った幻術師でさえ、誰もが予想してはいなかった言葉を、彼女は言い放った。
『私の望みは、終わらせること』
隊長たちが、目を疑った。
倒れこんだマルコの前には、銃を構えた女が、静かに笑っていた。
「能力者はつくづく不便なものだな。海楼石ひとつが命取りとは・・」
「おいまさか・・あの銃弾・・!」
ビスタの予感は当たりだった。
リアティーはマルコに海楼石の銃弾を撃ち込んだのだ。
撃ち抜かれた肩から流れる血を、大粒の雨が洗い流す。
荒波で大きく揺れる船。
「再生は得意技ではないのか?」
状況を把握しながらわざと問いかける女を、マルコは強い視線で睨みつける。
「お前から地獄へ送ってやろうか、不死鳥マルコ・・」
銃口がマルコの頭を捕らえ、ビスタとジョズが飛び出すが、女がそれを許すことはなかった。
「動くな。動けば不死鳥の頭を撃ち抜くぞ」
その言葉に、ふたりは脚を止めざるを得ない。
人数と実力では明らかに有利でも、完全に、この状況下での優位は幻術師の方に傾いていた。
数秒の間に、現在の状況を打開する案を叩き出さなければならない。
実力者揃いの白ひげ海賊団の隊長たちが、ここまで緊迫した戦闘を課せられたことは、本当に数える程度しかない。
しかも今回、相手はたったひとりの女だ。
どうすればいい、どうしたら2人を救出できるのか。
皆が必死に頭を回転させる中、事態は大きく変化を遂げることとなる。
『やめてください。私はここです』
この場には決して似合わない、美しい声が響いた。
『彼らに手は出さないで。貴女の狙いは私でしょう』
大雨に打たれながらもきっぱりとそう告げたなまえの姿は、凛々しく。
何かを覚悟したようにも見えた。
そんななまえを目の前に、物分かりがいい人間は好きだと、リアティーは静かな笑みを浮かべる。
「なまえ、来るな!下がってろ!!」
そんなことを許すはずもないエースは、なまえに怒鳴りつける勢いで叫んだが、幻術師はそんな彼の頭を容赦なく蹴り飛ばし、甲板に叩き付けた。
「せっかくの申し出を台無しにするつもりか?あの女の方がお前よりもはるかに聡明だな」
不利な状況の打開策として、なまえが懸命な判断をしたと言えば、それは賢い話以外の何物でもなかった。
『私はあなたの条件を飲みます。その代わりに、あなたにも私の望みを聞いてもらいます』
なまえの言葉に、リアティーの目付きが変わった。
「なるほど、交換条件か・・お前がおとなしくこちらの要求を飲んでくれるならば、聞かざるを得ない。お前の望みはなんだ、言ってみろ」
てっきり、これ以上白ひげ海賊団に手を出さないことや、エースやマルコの解放を言うかと思ったのだが、どうもそうではないらしい。
皆の引き止める言葉を聞きながら、ゆっくりと自分の元へと歩み寄るなまえを見て、歌姫の確保は容易かったと、幻術師は満足げに不敵な笑みを浮かべた。
交換条件とは言えども、相場はわかっている。
一体何を望んでくれるのかと、ある意味で期待を込めて言葉を待った幻術師でさえ、誰もが予想してはいなかった言葉を、彼女は言い放った。
『私の望みは、終わらせること』