伸ばしたその手は蒼き世界へ
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「なまえ・・・・」
彼女の手に握られた銀色のナイフは、怪しげな鈍い色を放ち、
炎の身体からは流れるはずもない鮮血が、甲板を染めていた。
彼女の唇は怪しく弧を描いて、静かに笑っていた。
なまえが、エースを刺した。
それと同時に、やっと違和感に気づく。
「お前・・なまえじゃねぇな?」
気付いた今としては時遅しだが。
「どうだ?愛する女に、その身体を貫かれる気分は」
そう言った時には彼女の面影はかけらもなく、代わりにダークパープルの髪を靡かせ、嫌な笑みを浮かべる女が立っていた。
「あぁ、実に腹立たしいぜ・・・偽者だとすぐに気付けなかった、おれ自身の見る目のなさがな」
そう、彼女は以前なまえの姿でサニー号に乗り込み、サンジを狙った女・・リアティーだった。
「歌姫の姿で麦わらの一味の船にも乗り込んだが・・つくづく愚かな男たちだ。誰一人あの女を責めることも、恨むこともしない。なぜそこまであの女を信じる」
「それは答えが必要な質問か?」
彼女はいつでも、多くの人たちを支え、その優しさと明るさで、光となって、照らしてきたのだろう。
皆が彼女を信じているから。
恨みはしない。恨むことなど出来ない。
それが、彼女に対する、答えだ。
「良くも悪くも、愛は人を変える。時には強さに、時には弱さに、時には憎悪に・・・現に今、身体を貫かれても、あの女を恨むこともしない。それはお前のあの女への想い故か?」
「さぁな・・・・少なくともおれが知っているなまえは、こんな真似をする女じゃないことだけは確かだ」
仮に、なまえが自分を想ってくれなくても。
エースはただ、まっすぐに生きる彼女に惹かれた。
大切だからこそ、彼女の側で、一番近くで、守ってやれればいい。
ただそれだけを、願っていた。
彼女は絶対に人を傷つけるような、そんなことはしない。
ただ、言えるのはそれだけだ。
「ならば改めて言わせてもらおう、火拳のエース。今、この場でお前の命を貰う」
リアティーが振りかざしたのは、未だに身体に刺さっているナイフよりも鋭い、短剣。
海楼石の刃に貫かれているエースの身体は、不運にも動くことが出来ない。
覚悟した瞬間だった。
銃声が響くと共に短剣は女の手から弾き飛ばされ、海へと散った。
振り向いた先には、白ひげ海賊団の隊長たちの姿があった。
攻撃の先陣を切ったのはイゾウで、まだ煙が上がっている愛用の銃口は、早くも幻術師の頭部を標的にしていた。
「動くな。次はその頭が散ることになるぞ」
波に揺られる静かな船の上には、
幻術師一人に、総出の白ひげ海賊団隊長という舞台が出来上がっていた。
彼女の手に握られた銀色のナイフは、怪しげな鈍い色を放ち、
炎の身体からは流れるはずもない鮮血が、甲板を染めていた。
彼女の唇は怪しく弧を描いて、静かに笑っていた。
なまえが、エースを刺した。
それと同時に、やっと違和感に気づく。
「お前・・なまえじゃねぇな?」
気付いた今としては時遅しだが。
「どうだ?愛する女に、その身体を貫かれる気分は」
そう言った時には彼女の面影はかけらもなく、代わりにダークパープルの髪を靡かせ、嫌な笑みを浮かべる女が立っていた。
「あぁ、実に腹立たしいぜ・・・偽者だとすぐに気付けなかった、おれ自身の見る目のなさがな」
そう、彼女は以前なまえの姿でサニー号に乗り込み、サンジを狙った女・・リアティーだった。
「歌姫の姿で麦わらの一味の船にも乗り込んだが・・つくづく愚かな男たちだ。誰一人あの女を責めることも、恨むこともしない。なぜそこまであの女を信じる」
「それは答えが必要な質問か?」
彼女はいつでも、多くの人たちを支え、その優しさと明るさで、光となって、照らしてきたのだろう。
皆が彼女を信じているから。
恨みはしない。恨むことなど出来ない。
それが、彼女に対する、答えだ。
「良くも悪くも、愛は人を変える。時には強さに、時には弱さに、時には憎悪に・・・現に今、身体を貫かれても、あの女を恨むこともしない。それはお前のあの女への想い故か?」
「さぁな・・・・少なくともおれが知っているなまえは、こんな真似をする女じゃないことだけは確かだ」
仮に、なまえが自分を想ってくれなくても。
エースはただ、まっすぐに生きる彼女に惹かれた。
大切だからこそ、彼女の側で、一番近くで、守ってやれればいい。
ただそれだけを、願っていた。
彼女は絶対に人を傷つけるような、そんなことはしない。
ただ、言えるのはそれだけだ。
「ならば改めて言わせてもらおう、火拳のエース。今、この場でお前の命を貰う」
リアティーが振りかざしたのは、未だに身体に刺さっているナイフよりも鋭い、短剣。
海楼石の刃に貫かれているエースの身体は、不運にも動くことが出来ない。
覚悟した瞬間だった。
銃声が響くと共に短剣は女の手から弾き飛ばされ、海へと散った。
振り向いた先には、白ひげ海賊団の隊長たちの姿があった。
攻撃の先陣を切ったのはイゾウで、まだ煙が上がっている愛用の銃口は、早くも幻術師の頭部を標的にしていた。
「動くな。次はその頭が散ることになるぞ」
波に揺られる静かな船の上には、
幻術師一人に、総出の白ひげ海賊団隊長という舞台が出来上がっていた。