伸ばしたその手は蒼き世界へ
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失敗した。
なまえはただひとり、今のこの状況をどう打開するかを考えていた。
ドフラミンゴが手配したホテルで、何一つ不自由なく過ごしていたなまえが、それにに気付いたのは、オーシャンビューのおかげだった。
朝日が差し込む部屋で、窓から海を眺めるのが好きだった彼女は、いつもと同じく窓から海を見つめていた。
いつもなら静かなはずの海の上を、見覚えのあるストライカーが走ってきたのを見た瞬間から荷物をまとめて部屋を飛び出すまでの時間は、わずか10分だった。
どこでもいいから、とにかくこの島を離れなければと乗った船。
船員から、今から行く島には観光するようなところは何もないと不思議そうに言われたのだが、そんなことを言っていられる状況ではなかった。
何もないとはいえ、宿のひとつぐらいはあるだろう、と思っていたのが間違いだった。
とにかく、何もなかった。
やっと見つけた小さな小屋にいた職人のような老人に話を聞くと、どうやらこの島は、島の漁師が船置き場にしているだけらしい。
その職人も船の修理に来ていただけで住んでいる人間などおらず、元いた島に戻るにも、夕方近くにならなければ船は来ないという。
どうしようかと途方にくれていたところ、柄の悪い男達に囲まれてしまったというわけだ。そして今に至る。
「姉ちゃん、こんなところにいたら危ないぜ?」
「襲われちまうぜ、俺たちみたいな悪い奴に」
下品な笑みを浮かべながら、ゆっくりとなまえに近付いてくる男達。
そんなに人数はいないのが幸いか。
仕方がない、応戦するしかない。
女だと油断している上、これぐらいの人数ならばすぐに片付くであろうと扇に手を伸ばしたとき、視界の後ろで白い煙が上がったように見えたのと、なまえの目の前にいた男が吹っ飛んだのは、ほぼ同時のことだった。
「ホワイト・ブロー!!」