伸ばしたその手は蒼き世界へ
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首筋に咲かせた紅い華を見てドフラミンゴは満足そうに笑みを浮かべたものの、ひとつでは満たされることはなかった。
もうひとつ咲かせてやろうと芽生えた悪戯心は、今度は胸元に唇を寄せる。
その途端に無意識に零れた彼女の甘い声は、彼の心をざわつかせるには十分だった。
「お前は可愛いな・・・」
『ドフィ、ほんとに・・・だめ・・・』
目に涙を浮かべながら拒絶の言葉を並べる彼女は、それが逆に煽ることになるなど理解していないのだろう。
憎らしいほどに可愛らしい。
どうしようもなく愛らしい。
「何も心配しなくていい。ちゃんと良くしてやる・・・」
『あっ・・・んん・・・』
その乱れた姿が、
その切ない声が、
思考を狂わせていく。
「そんな声・・・他の野郎には間違っても聞かせんじゃねぇよ・・・」
優しく髪を撫でると、綺麗な目から、涙がこぼれ落ちた。
その涙は拒絶の証か、快楽の証か、恐怖の証か。
「おれが怖いか?」
その問いかけに、歌姫は首を横にふった。
『ドフィは優しいわ・・・』
「この状況で優しいのか?おれは悪い男だぜ?」
どう見てもこの図は、今にも子羊を食べようとしている狼だ。
これが悪くないというのならば、いったい何が悪になるのだろうか。
サングラスの奥から注がれる視線は、ただただまっすぐに、歌姫だけに向けられていた。
「今、私は“自由”だわ・・・」
自分をからかっているのか、冗談なのか。
なまえに彼の真意は見えないが、少なくとも無理を強いることはないであろうことはないであろうと予測がついた。
本当にそうしたければ、糸で、その能力で、身体の自由を奪ってしまえば良いのだ。
けれど彼はそれをしない。
それだけで、彼が優しいと判断するには十分すぎる理由だった。
その言葉に気を良くしたのか、ドフラミンゴは優しく髪を撫でると、耳元に唇を寄せて囁いた。
「なまえ・・・」
“おれが好きだと、言ってみろ”