伸ばしたその手は蒼き世界へ
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夜空に、羽が舞っていた。
それは鳥のようで、鳥の翼ではなく。
糸を操る桃色の羽の持ち主が目指す先は、とある島の、最高級のホテルだった。
最上階にあるスイートルームには、やわらかい月の光が射し込んで、窓から部屋をぼんやりと照らしていた。
器用に鍵を外して中に入ると、大きなベッドで、歌姫がすやすやと眠っていた。
そんな彼女の髪を、慈しむように彼はさらりと撫でる。
この部屋に侵入したことに、彼女はまったく気付いていないようだ。
彼は空を舞い、わざわざ彼女のためだけにはるばるやって来たのだ。
髪を撫でる手にも、彼女を見つめる視線にも気づかず、歌姫は静かに眠り続ける。
「これがおれじゃなかったらどうするんだ。なぁ・・・?」
思わず零れた言葉に、彼は苦笑いする。
彼女はどこまで人を魅了すれば気が済むのか。
可愛らしい水色のナイトドレスが、彼女の白い肌に映えていた。
ただ横たわっているだけなのに、黙っていても、彼女は美しい。
『ん・・・・』
小さな声が唇から零れ、ゆっくりとその目が開いた。
まるでおとぎ話の姫が、永い眠りから目覚めるように。
「お目覚めか?お姫様」
ゆっくりと開いた歌姫の瞳に真っ先に映りこんだのは、鮮やかな金髪とサングラス、そして派手なピンクのコートだった。
こんな容姿、思い当たるのはひとりだけだ。
『ドフィ・・・?』
どうしてここにいるの、と言葉にしなくても、彼女の目がそう問いかけているのがよく解った。
「お前が心配だから見に来てみたんだ。どうだ?ここでの暮らしは。楽しいか?」
『ええ、おかげさまで・・・』
そりゃあ良かったと笑った彼は、楽しそうだった。
それもそのはず。
この高級ホテルの手配をしたのは、ドフラミンゴなのだ。
彼女が行く宛てもないとわかった彼は、彼女のために一番高級な部屋を貸し切り、従業員に世話を頼んだ。
なまえにとっては、何不自由なく、安心して過ごせる贅沢過ぎる生活。
彼女が白ひげの元を離れてから、一月が過ぎようとしていた。
力は使い用なのだ、何においても。
権力、財力、戦闘能力。
強い者だけが、自由を手に入れられる。
弱くては、何も出来ない。
それが、この世の理というもの。
『待っててドフィ、今お茶を煎れるから・・・』
まだ眠そうな声で、彼女は起き上がろうとする。
「いや、茶はいらねェよ」
歌姫の華奢な身体を軽く押して、柔らかなベッドへと再び沈ませた。
「・・・なまえ」
不思議そうに自分を見つめる彼女の上に、彼はゆっくりと覆い被さった。
それは鳥のようで、鳥の翼ではなく。
糸を操る桃色の羽の持ち主が目指す先は、とある島の、最高級のホテルだった。
最上階にあるスイートルームには、やわらかい月の光が射し込んで、窓から部屋をぼんやりと照らしていた。
器用に鍵を外して中に入ると、大きなベッドで、歌姫がすやすやと眠っていた。
そんな彼女の髪を、慈しむように彼はさらりと撫でる。
この部屋に侵入したことに、彼女はまったく気付いていないようだ。
彼は空を舞い、わざわざ彼女のためだけにはるばるやって来たのだ。
髪を撫でる手にも、彼女を見つめる視線にも気づかず、歌姫は静かに眠り続ける。
「これがおれじゃなかったらどうするんだ。なぁ・・・?」
思わず零れた言葉に、彼は苦笑いする。
彼女はどこまで人を魅了すれば気が済むのか。
可愛らしい水色のナイトドレスが、彼女の白い肌に映えていた。
ただ横たわっているだけなのに、黙っていても、彼女は美しい。
『ん・・・・』
小さな声が唇から零れ、ゆっくりとその目が開いた。
まるでおとぎ話の姫が、永い眠りから目覚めるように。
「お目覚めか?お姫様」
ゆっくりと開いた歌姫の瞳に真っ先に映りこんだのは、鮮やかな金髪とサングラス、そして派手なピンクのコートだった。
こんな容姿、思い当たるのはひとりだけだ。
『ドフィ・・・?』
どうしてここにいるの、と言葉にしなくても、彼女の目がそう問いかけているのがよく解った。
「お前が心配だから見に来てみたんだ。どうだ?ここでの暮らしは。楽しいか?」
『ええ、おかげさまで・・・』
そりゃあ良かったと笑った彼は、楽しそうだった。
それもそのはず。
この高級ホテルの手配をしたのは、ドフラミンゴなのだ。
彼女が行く宛てもないとわかった彼は、彼女のために一番高級な部屋を貸し切り、従業員に世話を頼んだ。
なまえにとっては、何不自由なく、安心して過ごせる贅沢過ぎる生活。
彼女が白ひげの元を離れてから、一月が過ぎようとしていた。
力は使い用なのだ、何においても。
権力、財力、戦闘能力。
強い者だけが、自由を手に入れられる。
弱くては、何も出来ない。
それが、この世の理というもの。
『待っててドフィ、今お茶を煎れるから・・・』
まだ眠そうな声で、彼女は起き上がろうとする。
「いや、茶はいらねェよ」
歌姫の華奢な身体を軽く押して、柔らかなベッドへと再び沈ませた。
「・・・なまえ」
不思議そうに自分を見つめる彼女の上に、彼はゆっくりと覆い被さった。