なまえが姿を消して、もう数日が過ぎていた。
拐われたのか、出ていったのか。
どこで何をしているのか、無事なのか。
依然として何の情報が掴めないことに、さすがの白ひげの隊長達も焦りの色を隠せずにいた。
一体、彼女に何があったのか。
ただただ、心配だけが募っていった。

白ひげは隊員たちに怒る訳でもなく、ただ一言、必ず見つけろ、とだけ告げた。

マルコは連日空を飛び回り、ジョズやサッチやビスタは島を走り回る日々。
拐われた可能性も視野に入れ、隊ごとに近くの島まで船を出し、それぞれの決死の大捜索が続いていた。

その中でも、エースはただひとり、真っ先に仲間たちが止めるのも聞かずに船を飛び出して、ストライカーで情報を集めに海を渡った。

なまえ、どこにいるんだよい。
みんな、お前を心配してるよい。
特に、エースは。

「おれが、ルフィからなまえを預かったんだ。だからおれには守る責任がある」

弟から預かってきた、大切な仲間を守り抜く約束。
何があっても、絶対に破ることが出来ないものであり、
白ひげの名に懸けて果たさなければならない誓いでもある。
そして今、彼女がどこにいるかわからないということは、想定しているよりもはるかに危険なことであることは間違いがない。
いつどこで狙われるかわからない。
早く見つけなければと焦るのも、当然のことだった。

皆の心情とは裏腹に、今日も澄みきった青空の下。
マルコは再び、青い翼を広げた。