伸ばしたその手は蒼き世界へ
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「もう、笑い事じゃあないのよ」
運ばれてきたコーヒーとショートケーキには手も付けず、真っ先にとった伝電虫の向こうでは、声の主の独特の笑い声が聞こえる。
「少しは落ち着いたか?おれの愛しのアンジェリカ」
楽しそうな、だけれどからかってはいないような、いまいち心情が読めない声で言葉を紡ぐ相手。
『ちっとも落ち着けないわ。一体何をしたの、ドフィ・・・』
独特の笑い声を響かせていたのは、“天夜叉”と呼ばれている男ー
ドンキホーテ・ドフラミンゴだった。
なまえが乗る船が立ち寄った、とある島の海岸。
穏やかな島は、ちょっとした騒ぎになっていた。
貴族や王族が利用する最高クラスの豪華すぎる客船。
本来なら停泊するはずのないその船が、海路を変えてやって来たのだ。
その船を一目見ようと、島民たちが続々と海岸に集まっていた。
「フッフッフ!愛しのなまえが泣いておれに助けを求めたんだ、助けない訳にはいかないだろう?」
そう言われた以上、何も言えなかった。
白ひげ海賊団から逃げ切るなんて荒業、成し遂げられる訳がない。
けれど、立ち止まることも出来ない。
助けを求められる相手といっても、その時は彼しか思い付かなかったのだ。
電伝虫越しのドフラミンゴの声を聞いた途端に、助けてほしいと告げ、思わず泣き出してしまったなまえに、ただ事ではないことだけは理解した。
とにかく誰にも知られずに逃げなければならない、とだけを告げられた彼は、それならばとVIPしか乗れない客船を呼びつけたのだ。
自らの立場と、権力を利用して。
まったくの予想外だった、とつぶやく彼女の言葉に、そりゃあそうだろう、と言って彼はまた笑う。
とにかくおれの指示に従え、という彼の言葉に従った結果がこれだったというわけだ。
ドフラミンゴによると、なまえの名前はアンジェリカということになっているらしい。
政府のお偉いの親類と言ってあり、病気療養で別の島に行くため、あまり部屋を訪ねたりしつこくすることのないように、しっかり釘を刺しておいたとのこと。
「本当なら、おれがすぐにでも側に行ってやりたいがな・・・おれが行けば、どうしても騒ぎ出すバカがひとりはいるだろう。おれは構わねェが・・・お前はそれじゃあ都合が悪いみたいだからな」
面倒だから事情は深くは聞かねェよ、との言葉が、今はただありがたかった。
「ただし。万が一にも誰かに手を出されたらすぐに連絡しろ。すぐにそいつを消しに行ってやる」
『ドフィは心配性ね。大丈夫よ』
誰もが、こんな各国のVIPが乗っている船で、いざこざなど起こすつもりはないだろう。
「フッフッフ!じゃあな、良い船旅を。おれの可愛いなまえちゃん」
運ばれてきたコーヒーとショートケーキには手も付けず、真っ先にとった伝電虫の向こうでは、声の主の独特の笑い声が聞こえる。
「少しは落ち着いたか?おれの愛しのアンジェリカ」
楽しそうな、だけれどからかってはいないような、いまいち心情が読めない声で言葉を紡ぐ相手。
『ちっとも落ち着けないわ。一体何をしたの、ドフィ・・・』
独特の笑い声を響かせていたのは、“天夜叉”と呼ばれている男ー
ドンキホーテ・ドフラミンゴだった。
なまえが乗る船が立ち寄った、とある島の海岸。
穏やかな島は、ちょっとした騒ぎになっていた。
貴族や王族が利用する最高クラスの豪華すぎる客船。
本来なら停泊するはずのないその船が、海路を変えてやって来たのだ。
その船を一目見ようと、島民たちが続々と海岸に集まっていた。
「フッフッフ!愛しのなまえが泣いておれに助けを求めたんだ、助けない訳にはいかないだろう?」
そう言われた以上、何も言えなかった。
白ひげ海賊団から逃げ切るなんて荒業、成し遂げられる訳がない。
けれど、立ち止まることも出来ない。
助けを求められる相手といっても、その時は彼しか思い付かなかったのだ。
電伝虫越しのドフラミンゴの声を聞いた途端に、助けてほしいと告げ、思わず泣き出してしまったなまえに、ただ事ではないことだけは理解した。
とにかく誰にも知られずに逃げなければならない、とだけを告げられた彼は、それならばとVIPしか乗れない客船を呼びつけたのだ。
自らの立場と、権力を利用して。
まったくの予想外だった、とつぶやく彼女の言葉に、そりゃあそうだろう、と言って彼はまた笑う。
とにかくおれの指示に従え、という彼の言葉に従った結果がこれだったというわけだ。
ドフラミンゴによると、なまえの名前はアンジェリカということになっているらしい。
政府のお偉いの親類と言ってあり、病気療養で別の島に行くため、あまり部屋を訪ねたりしつこくすることのないように、しっかり釘を刺しておいたとのこと。
「本当なら、おれがすぐにでも側に行ってやりたいがな・・・おれが行けば、どうしても騒ぎ出すバカがひとりはいるだろう。おれは構わねェが・・・お前はそれじゃあ都合が悪いみたいだからな」
面倒だから事情は深くは聞かねェよ、との言葉が、今はただありがたかった。
「ただし。万が一にも誰かに手を出されたらすぐに連絡しろ。すぐにそいつを消しに行ってやる」
『ドフィは心配性ね。大丈夫よ』
誰もが、こんな各国のVIPが乗っている船で、いざこざなど起こすつもりはないだろう。
「フッフッフ!じゃあな、良い船旅を。おれの可愛いなまえちゃん」