伸ばしたその手は蒼き世界へ
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上空から風を斬る音が聞こえ、エースは空を仰ぐ。
青い炎の翼を広げていたマルコは、軽やかに船に降り立った。
どうだった、とエースの短い問いかけに、マルコは首を横に振った。
「ダメだ。全く見つからねぇよい」
マルコは予想外、とでも言いたげな表情を浮かべていた。
少しでもいい知らせを期待していた仲間達は、驚きの表情を隠せない。
「どこ行っちまったんだよ・・・」
白ひげ海賊団は、突然姿を消したなまえを探し回っていた。
買い物に行くと告げ、船を出て行った彼女は、夜になっても船に戻ることはなかった。
人拐いらしき人物も見当たらない、海賊がいたとの情報もない。
捕まったと説明するとしても、納得が出来ない。
特に荷物をまとめていたような感じでもなく、出ていったとは考えにくい。
やはり拐われたのかとも思ったが、それなら情報が少しぐらい入るはず。
ましてや、マルコは空を飛べる。
なまえを拐って逃げたとしても、100%追い付ける自信がある。
皆の予想をことごとく翻すかのように、全く手がかりがないこの状況の中。
彼女は忽然と姿を消してしまった。
まさに、白ひげ海賊団にとっては前代未聞の出来事だった。
灯台もと暗しという言葉のように、まだ案外近くにいるのかもしれない、と冷静なビスタの言葉に、エースの顔色が変わった。
「おれ、もう一度探してくる!」
「おい!エース、待てよい!」
マルコの静止の言葉も聞かず、エースは船を飛び出した。
しかし、ここまで来たら徹底的に探すしか手はない。
そんな船員たちの姿を、白ひげはただ、黙って見つめていただけだった。
なまえが船内の部屋からふと窓の外を見ると、空には星が煌めいていた。
そろそろ、マルコ達が気付いて騒いでいるだろう。
信じていたのに。
自分の居場所はここだと、白ひげ海賊団にあるのだと、そう思いたかったのに。
エースが、麦わらのルフィの兄だったなんて。
でもどうして、こんなに麦わらのルフィが、
麦わらの一味がこんなに憎いのか。
たまに迷う時がある。
麦わらの一味は自分の能力を狙って誘拐されていたこと。
それだけは覚えている。
それでも今の彼女にとっては、麦わらの一味を恨むには、
あまりにも十分すぎる理由だった。
白ひげ海賊団に拾われていければ、自分はどうなっていたかわからない。
けれど、
白ひげ海賊団に入る前の、記憶が定かではない。
ジュエル島を出て、白ひげ海賊団と共に過ごすまでの時間に、空白がある。
何かを、忘れているの?
けれど、何を?
何度、自分に問い掛けただろう。
答えは見つからないまま、時間だけが過ぎた。
とにかく、今わかることは、
白ひげ海賊団には、戻れない。
何が何でも逃げなければならない。
見つかってはいけない、絶対に。
しかし、世界最強の男が乗る海賊団から逃げ切ることなど出来るのだろうか。
たったひとりで。
『誰か、助けて・・・』
すれ違う思い、静かなる呪縛。
悪魔の呪いに囚われた歌姫の歯車は、再び狂い始めた。
青い炎の翼を広げていたマルコは、軽やかに船に降り立った。
どうだった、とエースの短い問いかけに、マルコは首を横に振った。
「ダメだ。全く見つからねぇよい」
マルコは予想外、とでも言いたげな表情を浮かべていた。
少しでもいい知らせを期待していた仲間達は、驚きの表情を隠せない。
「どこ行っちまったんだよ・・・」
白ひげ海賊団は、突然姿を消したなまえを探し回っていた。
買い物に行くと告げ、船を出て行った彼女は、夜になっても船に戻ることはなかった。
人拐いらしき人物も見当たらない、海賊がいたとの情報もない。
捕まったと説明するとしても、納得が出来ない。
特に荷物をまとめていたような感じでもなく、出ていったとは考えにくい。
やはり拐われたのかとも思ったが、それなら情報が少しぐらい入るはず。
ましてや、マルコは空を飛べる。
なまえを拐って逃げたとしても、100%追い付ける自信がある。
皆の予想をことごとく翻すかのように、全く手がかりがないこの状況の中。
彼女は忽然と姿を消してしまった。
まさに、白ひげ海賊団にとっては前代未聞の出来事だった。
灯台もと暗しという言葉のように、まだ案外近くにいるのかもしれない、と冷静なビスタの言葉に、エースの顔色が変わった。
「おれ、もう一度探してくる!」
「おい!エース、待てよい!」
マルコの静止の言葉も聞かず、エースは船を飛び出した。
しかし、ここまで来たら徹底的に探すしか手はない。
そんな船員たちの姿を、白ひげはただ、黙って見つめていただけだった。
なまえが船内の部屋からふと窓の外を見ると、空には星が煌めいていた。
そろそろ、マルコ達が気付いて騒いでいるだろう。
信じていたのに。
自分の居場所はここだと、白ひげ海賊団にあるのだと、そう思いたかったのに。
エースが、麦わらのルフィの兄だったなんて。
でもどうして、こんなに麦わらのルフィが、
麦わらの一味がこんなに憎いのか。
たまに迷う時がある。
麦わらの一味は自分の能力を狙って誘拐されていたこと。
それだけは覚えている。
それでも今の彼女にとっては、麦わらの一味を恨むには、
あまりにも十分すぎる理由だった。
白ひげ海賊団に拾われていければ、自分はどうなっていたかわからない。
けれど、
白ひげ海賊団に入る前の、記憶が定かではない。
ジュエル島を出て、白ひげ海賊団と共に過ごすまでの時間に、空白がある。
何かを、忘れているの?
けれど、何を?
何度、自分に問い掛けただろう。
答えは見つからないまま、時間だけが過ぎた。
とにかく、今わかることは、
白ひげ海賊団には、戻れない。
何が何でも逃げなければならない。
見つかってはいけない、絶対に。
しかし、世界最強の男が乗る海賊団から逃げ切ることなど出来るのだろうか。
たったひとりで。
『誰か、助けて・・・』
すれ違う思い、静かなる呪縛。
悪魔の呪いに囚われた歌姫の歯車は、再び狂い始めた。