伸ばしたその手は蒼き世界へ
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「ベルシア王国は崩壊し、跡形もなくなりました。しかし・・・すべてを失ったわけではありません」
政府の攻撃により、レックス王は命を落としてしまった。
しかし王妃と王女、そして王の実の妹は、数人の護衛の兵士と共に海へ逃げ出していたのだ。
王妃たちはある島にたどり着き、ベルシア王家の身分を隠して島で生活を始めた。
目を覚まさない王女を不憫に思った島民は、神の祈りが届くようにとの願いを込めて祭壇を造り、王女は祭壇へその身を置いた。
ルチア王妃は生涯、王女を見守り続けたが、目を覚ますことはなかった。
これが、ベルシア王国崩壊の真相だった。
はるか昔、一つの国が辿った悲劇的な運命。
「私の先祖は、ルチア王妃を最後まで護衛した兵士長でした。
この事実を決して忘れてはならないと、日記にして残していました。ベルシア王国、闇魔術、そしてセプトクルールのことを書いた資料は、世界にこれしか存在しないでしょう。これは、今の政府ですら知らないことかもしれない。この事実を受け継いだのは、クリストと私だけです。これが海軍や政府に知られたら、私たちは間違いなく幽閉されてしまうでしょう」
政府が自ら抹消を目論み、消したはずのもの。
それに抗い、権力によって消されようとしていた真実を伝えようとした者がいた。
「ルチア王妃たちがたどり着いた島の名は・・・ジュエル島」
「・・・!?」
聞き覚えのある名前に、全員の表情が一斉に変わった。
その反応を見たファイは、神妙な面持ちで一味を見つめた。
「ジュエル島は、当時はとても小さな貧しい島でした。レックス王の妹・・・セレサ様は、セプトクルールの使い手でした。力を使って作物を作り・・・島を豊かにしていきました。そして島は発展し、多くの人間が暮らすようになりました。
セレサ様は島の男と結婚し、子を授かりました。その子供も王族の血を引いたため、セプトクルールの使い手となりました。そして、亡くなられたルチア王妃の代わりに、セレサ様とその子供の子孫が、眠りについた王女を見守る役目を引き継いだのです」
ベルシア王家の血を引くものは、自らのその事実を隠して
代々、眠り続ける王女を見守ってきたというのだ。
「レックス王とルチア王妃の娘、ベルシア王国最後の王女の名前は・・・なまえ」