伸ばしたその手は蒼き世界へ
Your Name?
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ロビンさん、あなたはとても優秀なお方だ。いずれ必ず・・・真実へとたどり着くでしょう。今の皆さんには、真実を知る権利がある」
話は、300年前に遡るー
「かつてのベルシア王国は、まだお若いレックス王とルチア王妃が納める、自然豊かな平和な国でした・・・」
ベルシアは、レックス王とルチア王妃が納める国であったこと。
ベルシア王家は代々、虹神の力・・・セプトクルールの使い手であり、レックス王も継承者であったこと。
王女が生まれ、彼女も継承者となったこと。
魔術師が虹神の力を狙い、国に攻め込んだこと。
地獄絵図の最中、魔術師は王女を誘拐しようとしたが失敗する。
悪あがきに王女に闇魔術をかけようとしたが、虹の神聖な力により、呪いははじき返された。
国は七色の光に包まれ、国民にかけられた闇魔術も消え去ったが、王女が国を救った代償は大きかった。
王女は深く長い眠りから覚めなくなってしまったのだ。
王と王妃、そして国民は悲しみに暮れた。
しかし、話はここで終わるどころか、急展開を迎える。
「その数日後、なぜか世界政府が・・・ベルシアへと侵攻しました。政府は海軍が厳重に管理するダイナ岩を使って、大爆発を引き起こし・・・ベルシア王国は跡形もなくなってしまったのです」
「ダイナ岩って・・・確か海軍が厳重に保管しているはず・・・」
誰もが驚きの声を上げた。
王国の崩壊に政府が手を下したということになれば、それは、バスターコールと同じようなものだ。
「世界政府が、国を消したっていうのか・・・!?」
驚いた様子のウソップに、ファイは頷いて肯定を示した。
「実は・・・魔術師はインペルダウンに襲撃し、囚人たちや看守たちを解放したのちに闇魔術で操り、ベルシア王国に責め込んだのです。
こんな失態が知られれば、世界政府や海軍の信頼はなくなってしまう。
闇魔術の脅威を危惧した世界政府は、このことと闇魔術の存在自体を知られないように・・・国ごと滅ぼそうとしたのでしょう。
現に、ベルシア王国の崩壊は、歴史書には疫病によるものとなっていました。そして闇魔術に関する資料はすべて政府の手によって処分されました。もちろん、インペルダウンの件もです。それほどまでに危険なものであることを意味する決定的な証拠です」
闇魔術が絡んでいるどころか、1つの国を意図的に消す必要があるほどのものだという事実に、とにかく驚きを隠せないばかり。
「そして、悪魔の実の能力を無効化してしまうセプトクルールも、政府にとってはとても都合が悪いものでした。海軍の最高戦力も、悪魔の実の能力者です。闇魔術に操られ、セプトクルールが悪人の手に渡ってしまったら・・・恐ろしいことになる。政府はそれも危惧し・・・世界から消すことにしたのです」
セプトクルールはベルシア王家の人間しか使えない。
そのたった数人の王族を抹殺するために、世界政府は国をひとつ崩壊させるという道を選択したということになる。
「なまえとなまえのおばあさんが、これを使えるということは・・・ふたりは王族なの?」
ナミは深い意味もなく、ただ率直な疑問を口にしただけだったが、この疑問が後に一味に衝撃を与えることとなる。
「・・・ルフィさん、そして皆さん。私がこれから話すことは、皆さんにはとても信じがたいことかもしれません。それでも・・・真実を知る覚悟はありますか?」
ファイから改めて投げかけられたその問いかけに、緊張感が走った。
知ることに覚悟が必要なほどの、想像を超えるような真実が、ルフィたちを待ち構えているということになる。
そしてそれを知るか否かの選択を、ファイはあえてここで迫り、ルフィ達の意思で選ばせようとしているのだ。
しかし、どんな理由であれ、
仲間を助けるのに必要ならば、
ここで退く理由も、躊躇う理由も、何ひとつない。
「ある」
一言短く告げると、ルフィは強く頷いた。
船長の決断に、否定を示す理由はない。
全員が、強く頷いた。
「わかりました」
彼の口から、一体何が語られるというのだろうか。
眠っていた世界の歴史が、
闇に葬られた真実が、
時を超えて、解き明かされようとしていた。