伸ばしたその手は蒼き世界へ
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朝食後、ひとり早々と席を外したサンジの後ろ姿を見たウソップが、チョッパーに現在の彼の状態をこっそりと訊ねると、チョッパーの表情が曇った。
身体が辛いのは間違いがない。
だが、身体には異常はない。
優秀な医者であるチョッパーですら、どうしようもない。
それは、呪いが単なる脅しでも、出まかせでもないことを、はっきりと証明していた。
サンジを蝕む呪いは、確実に彼を苦しめ続ける。
しかし、それは第三者が助ける余地を、一切与えることはない。
仲間たちに心配をかけまいと気を使っているのだろう、サンジはひとりで過ごすことが明らかに多くなった。
「どうしたらいいの・・・なまえだけじゃなくて、サンジ君まで・・・」
ナミの言葉に、誰も言葉を返せない。
全く解決策も見つからず、いたずらに時間だけが、ただ過ぎ去っていく。
不可思議な呪いに身体を蝕まれ、苦しむその姿を見たくないのはもちろんだが、それ以上に辛いのは、おとなしく見ていることしか出来ないこの状況。
苦しむ仲間がいる傍ら、何一つ出来ないという現実は、なまえの時とまったく同じなのだ。
仲間たちにとって、それは最大に辛いものだった。
「何も出来ないのか・・・」
俯いていたルフィは、悔しそうにそう呟いた。
「なまえも。サンジも。仲間が苦しんでるのに・・・おれは何も・・・」
船長の呟いた言葉は、
思ったよりも強く、重く、心に突き刺さった。
「・・・・・っ!!」
ひとり屋上でタバコを吸おうと火をつけた矢先、突然の激しい痛みに襲われたサンジは、自分の身体ひとつ支えられず、床に叩きつけられるように倒れこんだ。
「クソ野郎・・・!!」
思い通りに、自由に動かない身体。
情けなさと無力感が、サンジをゆっくりと、しかし確実に追い詰めていく。
いたずらに襲う痛みは、時間など予測不可能で。
これがすべて、幻術師の気まぐれかと思うと、腹立たしいものがあった。
当然、薬も効かず。
ただ、耐え忍ぶしかない。
痛みが治まるのを見計らい、またゆっくり目を閉じるものの、いつ襲われるかわからない痛みに、ゆっくり休める時間など与えられる訳がない。
当然熟睡など出来る訳がなく、心身共に疲れ果てる日々。
こんな日々を、これから何度繰り返して生きていくのだろう。
そんな疑問を嘲笑うかのように、時間だけが巡っていく。
辛い、苦しい、痛い。
この短い間で、何度そう思っただろう。
しかし、自分のこんな姿を、仲間には見られたくない。
彼を動かすのは、ただその一念。
あの時に比べたら、こんなもん何でもねぇよ。
思い出すのは、自分の過去。
親に、姉弟に蔑まれ、捨てられ、
やっとたどり着いた場所。
嵐に飲まれ、食べ物もなく、飲み物もなく。
絶望と戦った、永遠のように感じられた、
あの長い長い時間。
“お前がおれと同じ夢を持っていたからだ”
大丈夫だ、あの時だって、生き抜いたのだ。
まだ、生きている。
あの人と自分の夢を叶えるまでは。
簡単には折れない。死ねない。
絶対に。
清々しい青空の明るさが、ただ、今はまぶしかった。
身体が辛いのは間違いがない。
だが、身体には異常はない。
優秀な医者であるチョッパーですら、どうしようもない。
それは、呪いが単なる脅しでも、出まかせでもないことを、はっきりと証明していた。
サンジを蝕む呪いは、確実に彼を苦しめ続ける。
しかし、それは第三者が助ける余地を、一切与えることはない。
仲間たちに心配をかけまいと気を使っているのだろう、サンジはひとりで過ごすことが明らかに多くなった。
「どうしたらいいの・・・なまえだけじゃなくて、サンジ君まで・・・」
ナミの言葉に、誰も言葉を返せない。
全く解決策も見つからず、いたずらに時間だけが、ただ過ぎ去っていく。
不可思議な呪いに身体を蝕まれ、苦しむその姿を見たくないのはもちろんだが、それ以上に辛いのは、おとなしく見ていることしか出来ないこの状況。
苦しむ仲間がいる傍ら、何一つ出来ないという現実は、なまえの時とまったく同じなのだ。
仲間たちにとって、それは最大に辛いものだった。
「何も出来ないのか・・・」
俯いていたルフィは、悔しそうにそう呟いた。
「なまえも。サンジも。仲間が苦しんでるのに・・・おれは何も・・・」
船長の呟いた言葉は、
思ったよりも強く、重く、心に突き刺さった。
「・・・・・っ!!」
ひとり屋上でタバコを吸おうと火をつけた矢先、突然の激しい痛みに襲われたサンジは、自分の身体ひとつ支えられず、床に叩きつけられるように倒れこんだ。
「クソ野郎・・・!!」
思い通りに、自由に動かない身体。
情けなさと無力感が、サンジをゆっくりと、しかし確実に追い詰めていく。
いたずらに襲う痛みは、時間など予測不可能で。
これがすべて、幻術師の気まぐれかと思うと、腹立たしいものがあった。
当然、薬も効かず。
ただ、耐え忍ぶしかない。
痛みが治まるのを見計らい、またゆっくり目を閉じるものの、いつ襲われるかわからない痛みに、ゆっくり休める時間など与えられる訳がない。
当然熟睡など出来る訳がなく、心身共に疲れ果てる日々。
こんな日々を、これから何度繰り返して生きていくのだろう。
そんな疑問を嘲笑うかのように、時間だけが巡っていく。
辛い、苦しい、痛い。
この短い間で、何度そう思っただろう。
しかし、自分のこんな姿を、仲間には見られたくない。
彼を動かすのは、ただその一念。
あの時に比べたら、こんなもん何でもねぇよ。
思い出すのは、自分の過去。
親に、姉弟に蔑まれ、捨てられ、
やっとたどり着いた場所。
嵐に飲まれ、食べ物もなく、飲み物もなく。
絶望と戦った、永遠のように感じられた、
あの長い長い時間。
“お前がおれと同じ夢を持っていたからだ”
大丈夫だ、あの時だって、生き抜いたのだ。
まだ、生きている。
あの人と自分の夢を叶えるまでは。
簡単には折れない。死ねない。
絶対に。
清々しい青空の明るさが、ただ、今はまぶしかった。