伸ばしたその手は蒼き世界へ
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「幻術師・・?」
不思議そうに聞き返すフランキーに、チョッパーはこくんと頷いた。
絶対安静の大怪我の中、先に意識を取り戻したのはゾロだった。
チョッパーが何があったのか訊ねると、“なまえに化けた幻術師を名乗る女にやられた”と答えたのだという。
当時の状況が良くわからない以上、ゾロの言葉を信じるしかないのだが、正直理解が出来なかった。
たったひとりの女に、負けたというのか。
安静にさせておくべきなのは重々承知していたが、とにかく話を聞かなければ仕方がない。
一体、あの夜に何があったというのだろうか。
全員が、医務室へと向かった。
サンジはまだ目覚めていなかったが、包帯で巻かれたゾロの痛々しい姿から、その怪我の度合いを予想させるには十分だった。
「アンタたちがここまでやられるなんて、よほどのことがあったのよね?」
ナミからそう問い掛けられると、横になっていたゾロはゆっくりと起き上がり、口を開いた。
あの夜、気付いたら船になまえがいたこと。
自分達に別れを告げに来たと言ったこと。
その言葉に、全員が驚いたように顔を見合わせる。
騙されたのは自分だ、これ以上俺達の旅を妨げる訳にはいかない、だからこの船には戻らない、自分は白ひげ海賊団になると。
ルフィに言ったらきっと責任を感じるだろうから、ゾロに言いに来たと言ったこと。
「当然、俺は納得しなかった。帰ろうとするなまえを引き止めようとしたら・・・撃たれた」
「撃たれたって、なまえに!?」
チョッパーの焦った声にも、ゾロは表情を崩さず頷いた。
信じられない、とナミが言葉を返すが、ゾロが嘘を言っているとは到底思えない。
しかし、いくら呪われているとはいえども、あんなに優しく穏やかな彼女が仲間を撃つなど考えたくもない。
信じたくない思いに拍車をかけるように、ゾロはさらに話を続けた。
いきなりなまえの様子が豹変したこと。
今落ち着いて考えれば、おかしな点はいくつもあったこと。
呼び掛けられた時、気配が全くしなかったこと。
撃たれた後になまえの姿が見知らぬ女の姿に変わったこと。
そしてその女は、すべての元凶、カイルに仕えていると言ったこと。
ゾロの説明から、敵はなまえの姿に化けて乗り込み、ゾロとサンジを急襲したのだというふうに解釈した。
まるでそれを示すかのように、ゾロが撃ち込まれた銃弾には、毒が仕込んであったのだ。
「なまえの姿を使うなんて・・・卑怯にも程があるだろ」
ウソップが悔しそうな表情を浮かべる。
いくら強者の2人でも、この状況でなまえの姿を見て困惑しない訳がない。
ましてや彼女の姿を使い、弱みにつけ入るように仲間にこんな大怪我を負わせるなど、許しがたいの一言しかない。
しかしその話が本当であれば、ひとつ重大な問題が出てくる
「ということは・・・敵は、なまえが白ひげ海賊団にいるということを、知っているということになるわね」
落ち着いた口調で告げられたロビンの言葉に、全員がはっと目を見開いた。
“白ひげ海賊団になる”とゾロに告げたのだ、間違いなく敵は、なまえが白ひげ海賊団にいることを知っている。
「カイル達はおそらくなまえを探し回っている中で、何らかの経緯で白ひげ海賊団にいることを知った。
けれどさすがに世界最強を名乗る白ひげに手を出すことは難しい・・・となれば、手始めに私たちを潰そうとしたのではないかしら」
ロビンの立てた仮説は、十分に納得できる意見だった。
しかしそれならばそれで、何でゾロとサンジだけ狙ったのかという疑問は残る
ルフィは、納得いかないという表情でロビンを見た。
敵の意図はわかりはしないが、一度交戦しているカイル達は、ゾロとサンジが重要な戦力であることはわかっているはず。
この二人が動けなくなれば、当然一味の戦力は下がり、狙うには絶好のチャンスとなる。
それを見越して、これから自分たちのことを狙う可能性もあるのでは、とルフィを落ち着かせるように、なおかつ分かりやすく穏やかな口調で述べたブルックの意見に、十分に有り得る話だと、フランキーも賛同した。
つまり、今後他の仲間たちが無事である保証は何処にもないということになる。
いつ狙われるのか、これから何が起こるのか。
ましてやゾロとサンジがまともに動けない今、麦わらの一味には、不安が渦巻き始めていた。
不思議そうに聞き返すフランキーに、チョッパーはこくんと頷いた。
絶対安静の大怪我の中、先に意識を取り戻したのはゾロだった。
チョッパーが何があったのか訊ねると、“なまえに化けた幻術師を名乗る女にやられた”と答えたのだという。
当時の状況が良くわからない以上、ゾロの言葉を信じるしかないのだが、正直理解が出来なかった。
たったひとりの女に、負けたというのか。
安静にさせておくべきなのは重々承知していたが、とにかく話を聞かなければ仕方がない。
一体、あの夜に何があったというのだろうか。
全員が、医務室へと向かった。
サンジはまだ目覚めていなかったが、包帯で巻かれたゾロの痛々しい姿から、その怪我の度合いを予想させるには十分だった。
「アンタたちがここまでやられるなんて、よほどのことがあったのよね?」
ナミからそう問い掛けられると、横になっていたゾロはゆっくりと起き上がり、口を開いた。
あの夜、気付いたら船になまえがいたこと。
自分達に別れを告げに来たと言ったこと。
その言葉に、全員が驚いたように顔を見合わせる。
騙されたのは自分だ、これ以上俺達の旅を妨げる訳にはいかない、だからこの船には戻らない、自分は白ひげ海賊団になると。
ルフィに言ったらきっと責任を感じるだろうから、ゾロに言いに来たと言ったこと。
「当然、俺は納得しなかった。帰ろうとするなまえを引き止めようとしたら・・・撃たれた」
「撃たれたって、なまえに!?」
チョッパーの焦った声にも、ゾロは表情を崩さず頷いた。
信じられない、とナミが言葉を返すが、ゾロが嘘を言っているとは到底思えない。
しかし、いくら呪われているとはいえども、あんなに優しく穏やかな彼女が仲間を撃つなど考えたくもない。
信じたくない思いに拍車をかけるように、ゾロはさらに話を続けた。
いきなりなまえの様子が豹変したこと。
今落ち着いて考えれば、おかしな点はいくつもあったこと。
呼び掛けられた時、気配が全くしなかったこと。
撃たれた後になまえの姿が見知らぬ女の姿に変わったこと。
そしてその女は、すべての元凶、カイルに仕えていると言ったこと。
ゾロの説明から、敵はなまえの姿に化けて乗り込み、ゾロとサンジを急襲したのだというふうに解釈した。
まるでそれを示すかのように、ゾロが撃ち込まれた銃弾には、毒が仕込んであったのだ。
「なまえの姿を使うなんて・・・卑怯にも程があるだろ」
ウソップが悔しそうな表情を浮かべる。
いくら強者の2人でも、この状況でなまえの姿を見て困惑しない訳がない。
ましてや彼女の姿を使い、弱みにつけ入るように仲間にこんな大怪我を負わせるなど、許しがたいの一言しかない。
しかしその話が本当であれば、ひとつ重大な問題が出てくる
「ということは・・・敵は、なまえが白ひげ海賊団にいるということを、知っているということになるわね」
落ち着いた口調で告げられたロビンの言葉に、全員がはっと目を見開いた。
“白ひげ海賊団になる”とゾロに告げたのだ、間違いなく敵は、なまえが白ひげ海賊団にいることを知っている。
「カイル達はおそらくなまえを探し回っている中で、何らかの経緯で白ひげ海賊団にいることを知った。
けれどさすがに世界最強を名乗る白ひげに手を出すことは難しい・・・となれば、手始めに私たちを潰そうとしたのではないかしら」
ロビンの立てた仮説は、十分に納得できる意見だった。
しかしそれならばそれで、何でゾロとサンジだけ狙ったのかという疑問は残る
ルフィは、納得いかないという表情でロビンを見た。
敵の意図はわかりはしないが、一度交戦しているカイル達は、ゾロとサンジが重要な戦力であることはわかっているはず。
この二人が動けなくなれば、当然一味の戦力は下がり、狙うには絶好のチャンスとなる。
それを見越して、これから自分たちのことを狙う可能性もあるのでは、とルフィを落ち着かせるように、なおかつ分かりやすく穏やかな口調で述べたブルックの意見に、十分に有り得る話だと、フランキーも賛同した。
つまり、今後他の仲間たちが無事である保証は何処にもないということになる。
いつ狙われるのか、これから何が起こるのか。
ましてやゾロとサンジがまともに動けない今、麦わらの一味には、不安が渦巻き始めていた。