伸ばしたその手は蒼き世界へ
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どれぐらいの時間、そうしていただろうか。
時間の感覚もなく、気付けば風音すら聞こえないほどの静寂を破ったのは、なまえだった。
『ゾロ、ごめんなさい・・・』
突然、彼女は悲しそうに謝った。
『私が騙されたばかりに・・・みんなには迷惑をかけたわ・・・』
迷惑を掛けた上に、麦わらの一味を差し置いて、白ひげのもとへ行ったことに深い責任を感じていたこと。
自分の事など見捨ててくれればいいと思っていたと、今にも泣き出しそうな声で告げるその姿に、不甲斐なさを覚えた。
自分たちは、そんなに器の小さい存在に見えるというのか。
「それはお前が謝ることじゃねェ。お前は何も悪くない」
今まで、様々な困難を乗り越えてきた。
今回も、きっと彼女を救うことが出来ると思っていた。
しかし・・・
それは叶うことはなく、彼女は白ひげ海賊団へと渡った。
どんな言い訳を並べても、仲間を守れなかったというのは事実であり、それは自分たちの弱さにつけ込まれた結果でしかないのだ。
『今日は・・・お別れを言いに来たの』
「何だと・・・?」
『ルフィに伝えたら・・・きっと自分を責めると思って・・・冷静に話を聴いてくれそうな貴方に、お別れを伝えに来たの』
突然の話の内容に、ゾロは驚きを隠せない。
『ゾロ。・・・私はもう、ここには戻らない』
「待て!理由は何だ。それ相応の理由がねぇなら、俺は納得しねェ。ルフィ達だってそうだ。お前が俺達の仲間であることは、何処にいたって変わらねェ」
ゾロが強く反論をするが、なまえは だからなのよ、と寂しく笑った。
何故なのか、自分たちの仲間だから都合が悪いのか。
何が彼女にそんな決断をさせたというのか。
『もうこれ以上・・・貴方たちが進む道を、私が妨げる訳にはいかない』
「全ての元凶はあの魔術だ!お前は何も・・・『ゾロ、』
ゾロの言葉を遮って、なまえは口を開いた。
”私は白ひげ海賊団になる” と。
『離れても、貴方たちの幸せを祈っているわ。私は・・・私の道を行きます』
そう告げた瞳に映っていたのは、意志の強さ。
本気なのだと悟った。
世界最強の男と共に、彼女は海を渡るつもりなのだ。
どんな敵にも、負けるつもりはない。
いつかは、超えなければならない相手。
世界最強を名乗る、伝説の存在。
これは、彼女を助けられなかった、自分達への戒めか。
彼女は、なまえは、
自分たちの手の届かない場所へ行こうとしている。
そろそろ行くわ、と、なまえはゾロの腕の中から抜け出そうとしたが、納得出来ないゾロはそれを許さなかった。
『ゾロ、離して・・・』
「ふざけんな。俺は納得してねェ」
『貴方が納得しなくても、私はもう決めたの・・・』
だから離して、と催促されても、それを聞き入れるわけにはいかなかった。
「今ここで離したら、お前は二度とここには戻って来ないつもりだろ。だったらおれは離さねェ」
仲間はおろか、船長にすら会わずに去るなど、決して納得出来る話ではない。
ちょっと力を込めれば折れてしまいそうな細い身体を、さらに強く抱きしめる。
そんなゾロに、なまえはため息をひとつ溢すと、仕方がないわね、と呟いた。
それと同時に、チャキ、と小さな金属音がした。
「・・・!?」
その音にゾロが違和感を覚えた瞬間、静寂の海に、無慈悲な乾いた音が響いた。
時間の感覚もなく、気付けば風音すら聞こえないほどの静寂を破ったのは、なまえだった。
『ゾロ、ごめんなさい・・・』
突然、彼女は悲しそうに謝った。
『私が騙されたばかりに・・・みんなには迷惑をかけたわ・・・』
迷惑を掛けた上に、麦わらの一味を差し置いて、白ひげのもとへ行ったことに深い責任を感じていたこと。
自分の事など見捨ててくれればいいと思っていたと、今にも泣き出しそうな声で告げるその姿に、不甲斐なさを覚えた。
自分たちは、そんなに器の小さい存在に見えるというのか。
「それはお前が謝ることじゃねェ。お前は何も悪くない」
今まで、様々な困難を乗り越えてきた。
今回も、きっと彼女を救うことが出来ると思っていた。
しかし・・・
それは叶うことはなく、彼女は白ひげ海賊団へと渡った。
どんな言い訳を並べても、仲間を守れなかったというのは事実であり、それは自分たちの弱さにつけ込まれた結果でしかないのだ。
『今日は・・・お別れを言いに来たの』
「何だと・・・?」
『ルフィに伝えたら・・・きっと自分を責めると思って・・・冷静に話を聴いてくれそうな貴方に、お別れを伝えに来たの』
突然の話の内容に、ゾロは驚きを隠せない。
『ゾロ。・・・私はもう、ここには戻らない』
「待て!理由は何だ。それ相応の理由がねぇなら、俺は納得しねェ。ルフィ達だってそうだ。お前が俺達の仲間であることは、何処にいたって変わらねェ」
ゾロが強く反論をするが、なまえは だからなのよ、と寂しく笑った。
何故なのか、自分たちの仲間だから都合が悪いのか。
何が彼女にそんな決断をさせたというのか。
『もうこれ以上・・・貴方たちが進む道を、私が妨げる訳にはいかない』
「全ての元凶はあの魔術だ!お前は何も・・・『ゾロ、』
ゾロの言葉を遮って、なまえは口を開いた。
”私は白ひげ海賊団になる” と。
『離れても、貴方たちの幸せを祈っているわ。私は・・・私の道を行きます』
そう告げた瞳に映っていたのは、意志の強さ。
本気なのだと悟った。
世界最強の男と共に、彼女は海を渡るつもりなのだ。
どんな敵にも、負けるつもりはない。
いつかは、超えなければならない相手。
世界最強を名乗る、伝説の存在。
これは、彼女を助けられなかった、自分達への戒めか。
彼女は、なまえは、
自分たちの手の届かない場所へ行こうとしている。
そろそろ行くわ、と、なまえはゾロの腕の中から抜け出そうとしたが、納得出来ないゾロはそれを許さなかった。
『ゾロ、離して・・・』
「ふざけんな。俺は納得してねェ」
『貴方が納得しなくても、私はもう決めたの・・・』
だから離して、と催促されても、それを聞き入れるわけにはいかなかった。
「今ここで離したら、お前は二度とここには戻って来ないつもりだろ。だったらおれは離さねェ」
仲間はおろか、船長にすら会わずに去るなど、決して納得出来る話ではない。
ちょっと力を込めれば折れてしまいそうな細い身体を、さらに強く抱きしめる。
そんなゾロに、なまえはため息をひとつ溢すと、仕方がないわね、と呟いた。
それと同時に、チャキ、と小さな金属音がした。
「・・・!?」
その音にゾロが違和感を覚えた瞬間、静寂の海に、無慈悲な乾いた音が響いた。