なまえの案内で町を目指す一味は、周りの景色に目を奪われていた。
辺り一面に咲く、色とりどりの花。
ていねいに手入れされた畑に実っているのは、立派に育った美味しそうな果物や野菜。
川を流れる水はとても透き通っていて、反射した太陽の光できらきらと上品な輝きを散りばめていた。

ルフィはいつの間にか勝手に摘んだ果物にかぶりついており、ナミとサンジにこっぴどく叱られることとなった。
まさに絶景と言える景色をみんなで称賛するも、なまえはこの島は昔、作物も満足に育たない荒れ果てた地だったことを教えてくれた。
この光景を目の前に、彼女の言葉の想像もつかないが、この話には続きがあった。

ジュエル島に虹神が舞い降り、ひとりの島民に自らの力を分け与えたこと。
その力を使うと、雨が降り、干からびた大地から花が咲き、作物が育ち、島は豊かになったこと。
これは虹神伝説と言われていて、この島に古くから伝わる伝説であった。
ジュエル島では一年に一度、虹神への感謝を捧げるために、祭りをすることになったこと。
その祭りの指揮を取るのが、力を分け与えられたと言われている島民の子孫、マーサとなまえなのだという。


しばらく歩き続けると、ようやく町が見えてきた。
絶景が続いていた今までの道とはまた違い、町はとても栄えているようだった。
島を挙げて島民たちは明日の祭りの準備をしており、一段とにぎわいを見せていた。

『それでは、私はここで。明日またお待ちしています』

礼儀正しく頭を下げたなまえにお礼を言い、一味は町へと向かって歩き出した。