この呪いは、一味に絶望を与えた。

苦しむ彼女を助けることが出来ないという、無力さを思い知ったのだ。
それをひどく悔しがり、深く悲しむ彼らに、エースは何も言えなかった。

ナミとロビンが荷造りした荷物をストライカーに乗せると、眠っているなまえを抱き上げ、自分もストライカーに乗り込んだ。

一味は、エースを見送るように甲板に集まっていた。

「親父なら何か知ってるかもしれねェ。おれ達も、闇魔術を調べる。なまえを救う方法を捜す」

「・・エース、」


言葉が見つからないのか、黙ってしまったルフィを見て、エースは口を開いた。


「心配するな、ルフィ。なまえはおれ達白ひげ海賊団が・・・必ず守る」


力強い兄の言葉を聴いて、ルフィはしっかりと頷いた。

それは両海賊団にとって、新たな歴史の始まりとなる瞬間だった。


彼女は今日からしばらく、ルフィ達とは別の場所で、
白ひげ海賊団と共に歩むことになる。







やがて、彼らは知ることになる。


美しき歌姫は、多くの人間の心を揺らす偉大な存在である事。

彼女は何処までも清く美しく、気高い存在である事。

そのなかに隠された真実と、深く強い想いを。




神に愛された姫よ、永久に美しくあれ―




進みだしたストライカーが描いた水面の道に、太陽が静かにきらめいた。

邪悪な呪いに囚われた心優しい歌姫は、
世界最強の男の元へと旅立った。



空に輝く 七色は
天にきらめく 幸せの光
星に願うは 永久の幸せ
月に願うは 君の幸せ

離れていても 心はここに
強き想いの その先に
果てなき祈りが 届く日に
約束の時は 訪れる

愛しき人よ
愛すべき人よ




ミスティーブルーのきらめき