ミスティーブルーのきらめき
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「お前たちがあの島に上陸したとの情報が入ってな。そこでなまえを捕えようとしていたが・・・お前たちも相当の手練れだ。手始めに誰かをどうにかすれば、足止め出来ると思ってな・・・」
「じゃあ、彼女はお前の・・・」
ご明察、とでも言いたげなカイルの表情が、その結果を物語っていた。
彼女はカイルの仲間・・・カイルが仕組んだ、罠だったのだ。
「それって、サンジ君じゃなくても・・・誰でも良かったってこと?」
別にサンジではなくても、足止めさえ出来れば誰でもよかったとも解釈できる言い草に、ナミが率直な疑問を投げかける。
「助けてくれて感謝しているぜ?お前はただ・・・怪我をした俺の仲間を助け、そこで“運悪く野蛮な人間に襲われただけ”だからな」
「・・・!!」
それはサンジの優しさに付け込んで利用した、許し難い出来事だった。
「貴方ねぇ・・・!!」
口調こそ丁寧なものの、聞けば聞くほど卑劣な手にブルックは怒りの色を滲ませていた。
「助けてくれたことには感謝しているのよ。こうしてカイル様の長年の計画が・・・あなたのおかげで実を結ぼうとしているの」
「お前・・・!!」
仲間をいいように利用された末に、負傷させたという事実を知ったルフィが黙っていられるはずがない。
「待て、ルフィ!!」
カイルに飛び掛かろうとした彼を制したのは、サンジだった。
「何で止めるんだ!こいつはお前を・・・!」
被害を受けたサンジ自身が自分を止めたことに納得がいかないルフィは、サンジに食って掛かった。
「とりあえず落ち着いて話を聞け・・・なまえちゃんを捕まえるだけにしては、あまりにもやることが派手すぎる。現に・・・こいつの仲間は俺たちの元へわざわざやって来て、おれ達をここまで連れてきた。余命僅かだとわかっていても、だ。そして命を落とした」
事の始まりは、なまえが麦わらの一味に入るきっかけからだった。
海軍の名を語り、島を一つ消そうとしてまで彼女を捕まえようとしていた。
海軍の中核とも言えるセンゴクやガープが30年間追い続け、未だにその記憶から消えない存在。
カイルにとってなまえは、海軍を敵に回しても、仲間の命という多大な犠牲を払っても、民間人が危険に晒されることになったとしても、それでもどうしても手に入れたくて仕方がない存在なのだ。
「どう考えたって異常だ。おれたちの考えている以上に・・・何かあるとしか思えねェ」
“お前の真の目的は何だ?”
サンジからの鋭い指摘に、さすがだな、とカイルは一言褒めると笑いを浮かべた。
「ジェルマにも“まともな人間”がいるとは驚いたよ」
その単語に、サンジの表情は明らかに変わった。
それを見逃さなかったカイルは、立て続けに言葉を投げかけた。
「この名が嫌なんだろう?・・・心底な」
消し去りたい過去を、なぜこの男が知っているのか。
一体どこで調べたのだろうか、実の父さえも恥だと、誰にも知られたくない汚点だとして消そうとした、“自分”の存在を。
「調べてなんかねぇよ。お前が教えてくれたんだ」
問う前に、カイルは質問の答えを返した。
「俺は“他人の考えが読める”んだ」
「何だと・・・?」
ますます理解し難い発言に、一味には困惑の色が濃くなっていった。