ミスティーブルーのきらめき
Your name?
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「黒足、お前にはもう一つ聞きたいことがある」
雷に打たれ、暴風に巻き込まれ、満身創痍の一味にゆっくりと近付くカイルのターゲットは、やはりサンジのようだった。
どこまでもしつこく自分に絡む相手を前に、サンジはもはや苛立ちを隠す様子もなかった。
「見覚えがないか?こいつに・・・」
ふと目の前に姿を現したのは、若い女。
それは、確かに見覚えがあった姿だ。
「お久しぶりね、お兄さん」
「君は・・・!」
それは、以前立ち寄った島での出来事ー
“お兄さん、助けて”
買い出しが終わり、船へと戻ろうとしていたサンジの耳に、か細い女の声が聞こえた。
そしてその声の主が自分を呼んでいることに気付き、声を辿っていくと、座り込んでいる若い女がいた。
サンジがそれを当然放っておくことはなく、どうしたのかと声をかけると、どうやら彼女は転んだ拍子に足をくじいてしまったようで、歩くどころか立ち上がることも出来ないようだった。
彼女に手を差し伸べて慎重にゆっくりと立たせると、家まで送ると申し出た。
さすがに悪いと最初は断られたが、立ち上がることも困難な中でまた転んでしまったら大変なことになってしまう。
足に極力負担が掛からないように抱き上げると、サンジは女の案内通りに歩き出した。
気付けばにぎやかな街は遠ざかり、店も人通りもほとんどない、町外れへと差し掛かっていた。
薄暗く、物音ひとつしない静けさに包まれた林の中に、彼女の家はあるという。
「本当にこんなところに住んでいるのかい?」
素朴な疑問を抱くのも無理はないぐらいの場所。
サンジの問いに、女は少し顔を伏せて答えた。
「私の家系は代々この島で生まれていて・・・とても古い家なんです。お見せするのも恥ずかしいぐらい・・・」
そう答えられた以上、疑う理由はない。
彼女の言う通りに足を進めたサンジを待ち構えていたのはー
「おい、誰か来たぜ」
「誰だお前、何しに来た」
見るからに柄の悪そうな男たちだった。
相手はしかもかなりの大人数。
それに対してこちらはサンジと怪我人。
彼女をひとりで逃がすわけにもいかない。
彼らを見逃すはずもなく、男たちは容赦なく襲い掛かってきた。
彼女を木陰に下ろして応戦したが、一瞬の隙を突かれてしまった。
「この女がどうなってもいいのかよ」
いつの間にか女の首に突き付けられた刃物が鈍く光っていた。
不覚にも、人質を取られてしまった。
そこからは予想通りの展開。
サンジが抵抗出来ないのをいいことに、男たちは散々痛めつけて去っていった。
あの時は意識が朦朧としていたサンジの途切れ途切れの記憶が、今になってふと蘇った。
「バカな男ね。簡単に信じちゃって・・・」
大怪我を負ったサンジの姿を見て笑っていたのは・・・
助けを求めた女だった。
「助けてくれてありがとう、黒足の坊や。カイル様にしっかり報告しておくわ。麦わらの一味、大したことなさそう、ってね・・・
それともうひとつ・・・人を簡単に信じちゃダメよ。海は、世界は優しくないのよ。こんなふうに騙されて、いつか命を落とすわよ」
雷に打たれ、暴風に巻き込まれ、満身創痍の一味にゆっくりと近付くカイルのターゲットは、やはりサンジのようだった。
どこまでもしつこく自分に絡む相手を前に、サンジはもはや苛立ちを隠す様子もなかった。
「見覚えがないか?こいつに・・・」
ふと目の前に姿を現したのは、若い女。
それは、確かに見覚えがあった姿だ。
「お久しぶりね、お兄さん」
「君は・・・!」
それは、以前立ち寄った島での出来事ー
“お兄さん、助けて”
買い出しが終わり、船へと戻ろうとしていたサンジの耳に、か細い女の声が聞こえた。
そしてその声の主が自分を呼んでいることに気付き、声を辿っていくと、座り込んでいる若い女がいた。
サンジがそれを当然放っておくことはなく、どうしたのかと声をかけると、どうやら彼女は転んだ拍子に足をくじいてしまったようで、歩くどころか立ち上がることも出来ないようだった。
彼女に手を差し伸べて慎重にゆっくりと立たせると、家まで送ると申し出た。
さすがに悪いと最初は断られたが、立ち上がることも困難な中でまた転んでしまったら大変なことになってしまう。
足に極力負担が掛からないように抱き上げると、サンジは女の案内通りに歩き出した。
気付けばにぎやかな街は遠ざかり、店も人通りもほとんどない、町外れへと差し掛かっていた。
薄暗く、物音ひとつしない静けさに包まれた林の中に、彼女の家はあるという。
「本当にこんなところに住んでいるのかい?」
素朴な疑問を抱くのも無理はないぐらいの場所。
サンジの問いに、女は少し顔を伏せて答えた。
「私の家系は代々この島で生まれていて・・・とても古い家なんです。お見せするのも恥ずかしいぐらい・・・」
そう答えられた以上、疑う理由はない。
彼女の言う通りに足を進めたサンジを待ち構えていたのはー
「おい、誰か来たぜ」
「誰だお前、何しに来た」
見るからに柄の悪そうな男たちだった。
相手はしかもかなりの大人数。
それに対してこちらはサンジと怪我人。
彼女をひとりで逃がすわけにもいかない。
彼らを見逃すはずもなく、男たちは容赦なく襲い掛かってきた。
彼女を木陰に下ろして応戦したが、一瞬の隙を突かれてしまった。
「この女がどうなってもいいのかよ」
いつの間にか女の首に突き付けられた刃物が鈍く光っていた。
不覚にも、人質を取られてしまった。
そこからは予想通りの展開。
サンジが抵抗出来ないのをいいことに、男たちは散々痛めつけて去っていった。
あの時は意識が朦朧としていたサンジの途切れ途切れの記憶が、今になってふと蘇った。
「バカな男ね。簡単に信じちゃって・・・」
大怪我を負ったサンジの姿を見て笑っていたのは・・・
助けを求めた女だった。
「助けてくれてありがとう、黒足の坊や。カイル様にしっかり報告しておくわ。麦わらの一味、大したことなさそう、ってね・・・
それともうひとつ・・・人を簡単に信じちゃダメよ。海は、世界は優しくないのよ。こんなふうに騙されて、いつか命を落とすわよ」