ミスティーブルーのきらめき
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「お前、歌上手いな!!」
その美しい声が奏でた歌のあとの静寂の時間を破ったのは、そう叫んだルフィの声だった。
『え・・・!?』
その声に驚き、歌声の主が反射的に振り向いた視線の先には、いくつもの見知らぬ顔があった。
見慣れない顔の上に、どう見ても人間離れした姿の者もおり、明らかにこの島の住人ではないことはすぐにわかった。
素晴らしい歌でした、と音楽家であるブルックが賞賛の声をあげて拍手を贈り、目をハートにしたサンジがすぐさま彼女の元へ飛んでいく。
あまりに突然のことに驚いて身体が動かないのか、その場に立ち尽くしたままの彼女の表情は、警戒というよりも明らかに動揺の色を見せていた。
そんな彼女の様子に気付かないのか、はたまたそんなのにはお構い無しなのか、ルフィは重ねて称賛の言葉を重ね続けた。
「なまえ様、どうされましたか!?」
どこからか見ていたのか、声が聞こえたのか、男たちが数人バタバタと慌ただしく駆け付けてきた。
そしてこの状況を見ると同時に、なまえと呼ばれた女を背中でかばうように隠すと、一味を強く睨みつけた。
「お前たちそこで何をしている!祭りが終わるまで、ここは立ち入り禁止だ!」
そう怒鳴られ、自分たちがいるこの場所は、どうやら立ち入ってはいけない場所だったのだということを知る。
初めてこの島に上陸した一味がそんなことを知るはずもないが、島の住人もこちらの都合など知る由もないので、この反応は当然といえば当然だった。
あくまでも故意ではなく、知らなかったことを全面に出して慌てて謝罪の言葉を述べるも、一味に向けられている疑念と警戒の色が緩む様子は一切なかった。
「おい、あの麦わら帽子・・・!」
ルフィの麦わら帽子に目を止めた男の表情が、みるみるうちに青くなっていく。
「海賊だ、・・・麦わらの一味だ!!」
その名を聞いた途端、なまえの表情に明らかに恐怖が浮かんだ。
世間では悪人として手配書が出回っているのだ、悪い意味で有名となってしまっている彼らには、避けて通れない道である。
本人たちにその気はまったくなくても、海賊というだけで白い目で見られたり、あらぬ疑いをかけられるのは日常茶飯事。
海賊として生きている以上、こればかりは仕方がないことではあるのだが、何しろルフィは二桁の億超えという、桁違いの懸賞金がかけられている。
懸賞金の高さ=凶悪度という方程式が出来上がっているこの世の中では、彼の存在は恐怖の対象にしかなり得ない。
「何事じゃ、騒々しい」
騒ぐ声が聞こえたのか、今度は小柄な御婆が、杖を付きながらゆっくりと姿を見せた。
「マーサ様、お下がりください!海賊がおります!」
何、と御婆が視線を向けた先には、確かにこの島では見かけない顔ぶれが、ずらりと並んでいた。