ミスティーブルーのきらめき
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「ちょっと様子を見に来ただけだってのに、ものすごい殺気だな・・・」
空模様が怪しくなり、波が少し荒れてきた。
海に揺られるサニー号の甲板で、ひとりの男と麦わらの一味が睨みあっていた。
泣く子も黙るほどの超高額な懸賞金がかけられ、世界中を騒がせる海賊。
この招かれざる客はその船に、たった一人で乗り込んできたのだ。
緊張感に包まれる船内は、言葉なき冷戦を繰り広げる。
一触即発だった。
「よくこんな船に乗ってられたな、お姫さんは・・・」
俺なんか一日で嫌になって逃げそうだぜ、と男は首を振って吐き捨てるように言った。
「お前がなまえを連れてったのか」
沈黙を破ったルフィの声には、激しい怒りの色が籠っている。
それを楽しむかのように、男は続けた。
「海賊なんかと一緒にいたら危険だからな、海軍に保護してもらってるぜ?」
姫さんは賞金首じゃねえだろう?と笑う男に、そういうアンタもどうなんだか、とナミも試すような言葉を返した。
「賞金首=強いとは限らないぜ、お嬢ちゃん」
賞金首じゃなくても、強い人間は確かに存在する。
「お姫さんは諦めな。お前らの元には戻らない」
その発言が、ルフィの怒りを助長することとなった。
それに気づいた男は、さらに挑発するように続けた。
「今ここで俺の命を取ってもいいが、後で後悔するぜ?」
「ここに来て命乞いかよ、みっともねえな」
何の根拠があって言っているのかはわからないが、妙に自信を感じさせる発言を、ゾロが真っ向から否定する。
それに対して食って掛かるような様子はなく、お前たちには論より証拠だな、と呆れたようにため息をついた。
「いいものやるよ」
男はナミに向かって地図を投げた。
「来いよ、麦わらの一味。なまえはそこにいる」
「本当なんだろうな」
デタラメだったら承知しないぜ、と付け加えて突っかかったサンジに、別に来なくてもいいんだぜ、と笑いながら言葉を返すその態度でどこまでも気分を逆撫でする男に、一味の機嫌は悪くなるばかりだ。
「百聞は一見に如かず、だ。俺の言ってることが正しいかどうか、自分たちで見極めろ」
じゃあな、と手を上げた途端に、突風が吹いた。
その勢いに目を閉じる。
次に目を開けた時には、男の姿はなかった。