話は、30年前に遡るー

ある国で、戦争が起きた。

それは国同士での争いではなく、国民の突然の反乱による内部戦争だった。
結託した国民は王族の住む王宮に攻め入り、あっという間に国は崩落する。
しかし、それだけでは収まらなかった。

国民は交流のあった隣国へと渡り、侵略を始めたのだ。
隣国の国民も反乱に参加し、わずか３日でふたつの国が崩落するという異例の事態が起こった。
どちらも、国政は決して悪い国ではなかった。

拡大する国民たちの力を押さえ込むことが出来ず、これ以上の被害が出ることを恐れた政府は、バスターコールの発令を決定する。

そのバスターコールの先陣を切ったのが、若きセンゴクとガープだった。

その後の調査で、戦争に参加した国民の全員の身体には、奇妙な刺青が刻まれていたことが判明する。
それはまるで、鎖に縛られた天使のような模様だった。
何千人もの身体に、同じ刺青があるなど有り得ない。
海軍はその刺青を調べたが、原因も、理由も、何ひとつとしてわからなかった。

そしてそのすぐ後のこと。
厳重に警備されている海軍のとある基地に、海賊が侵入した。

連絡を受けたセンゴクとガープは、現場へ急行する。

海軍の基地に侵入し、軍艦と対峙したのは、わずか５名の海賊団だった。

そして、さらにふたりを驚かせることとなったのは、先陣を切ってセンゴクとガープの前に現れたひとりの存在だった。
まだ幼さを残す小柄な身体の持ち主は、衝撃的なことを口にする。


“歳は昨日、12の歳になったばかりだが・・・
俺がこの船の船長だ。
ふたつの国の崩落を仕組んだのはこの俺だ。
信じる信じないは自由。
俺は悪魔の実よりも恐ろしい力を手に入れた。
この力で必ずお前たち政府を地獄に送り・・・世界に復讐する”


海賊船が掲げていた海賊旗。
そのシンボルマークは、
鎖に縛られた天使だった。