ミスティーブルーのきらめき
Your name?
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「いたか?」
「ううん、どこにも・・・」
その翌日。
楽しいリゾート地内を、血相を変えて走り回っている麦わらの一味の姿があった。
それは誰がどう見ても、ここの雰囲気には不釣り合いであったが、そんなことに構ってはいられなかった。
相変わらずにぎやかな島は落ち着く様子も見せず、今日もたくさんの観光客で今日も活気を見せていた。
ひさびさにゆっくり過ごすために立ち寄ったのだ、それぞれ自由に行動していた一味も、何も言わなくとも昼食の時間には自然と全員が集まったのだが。
「あれ、なまえは?」
なまえだけが、いつまでも姿を見せなかった。
「朝、お風呂に入ってくるって部屋を出て行ったきり・・姿を見てないわ」
改めて言われてみれば、確かにロビンが送り出した数時間前から、姿を見ていない。
ひとりでゆっくりしているのだろうと思って、特別気に留めることも探さずにもいたが、さすがに遅い。
迷ってるんじゃないか?と真顔で言ったゾロに、お前じゃないんだから、とウソップが盛大にツッコミを入れる。
そろそろ探してきた方がいいのではないかとフランキーが言ったのと、可愛らしい声が響いたのはほぼ同時のことだった。
「あっ、たぬきちゃんだー!」
チョッパーを見て嬉しそうに駆け寄ってきたのは、数日前に会った少女だった。
たぬきじゃないって!ときちんと子供相手にも否定するチョッパーに、少女は不思議そうに質問をした。
「たぬきちゃんたちは、あのおねえちゃんといかないの?」
とても可愛らしいのだが、その内容は少しばかり疑問を呼ぶものだった。
どういうこと?とナミが聞き返す。
「たぬきちゃんといっしょにいた、かわいいおねえちゃん!おふねにのっていっちゃったよ!」
「え?」
それ本当?と身を屈めて目線を合わせて訊ねたロビンに、うん!と少女は元気よく答えた。
「どんな人といっしょだったか、わかる?」
少女を驚かせたり怖がらせたりすることがないように、優しい声色と笑顔で問い掛けるロビンの機転の良さはさすがと言ったところだ。
「くろいおようふくきたおにいちゃんとおはなしして、おふねにのっていっちゃったの」
全員が顔を見合わせる。
情報提供者の可愛さとは真逆で、とても穏やかな内容ではない。
チョッパーが案内を求めると、少女は嬉しそうに返事をして、こっちだよ!とチョッパーの手をひいて走り出した。
着いた先には、当然だが船の姿はなかった。
どういうことなのか、今の段階ではまったく状況がわからない。
わからないが、可能性は限られてくる。
「まさか、連れ去られたのでは・・・」
ブルックの言葉を皮切りに、最悪の事態が頭を過る。
現になまえは、海軍に狙われていたのだ。
相手が海軍かどうかはわからないが、追手がいたのは確かだ。
「まさかじゃねェ。・・・確定だろ」
100%、攫われた。
それ以外に他の可能性などない。
早く追わなければならないが、行き先も何もわからない今の状況は八方塞がりだ。
何か手がかりを探さなければならない。
焦りばかりが募る中、周りの客たちがざわめき始めた。
「おい、なんか軍艦が向かってきてるぞ!」
「え?なに?」
「なんだ?何かあったのか?」
その声の通りに水平線に視線を向けると、
海軍の船が数隻、まっすぐに島に向かってきていた。