今やこの海でその名を知らぬものはいないと言われているほど有名な海賊となった麦わらの一味。
サウザンド・サニー号は、新しい島を見つけ、その島に向かってその日も順調に航海を続けていた。

船を停泊させ、上陸を始めた一味の耳に聞こえてきたのは、女の美しい歌声だった。
おそらく歳はまだ若いだろう、澄み切ったその声の方向へ自然と足が向くのに、そう時間はかからなかった。

引き寄せられるように海岸沿いを歩いていくと、海に向かって歌うひとりの女の姿が遠目に見えた。

ー美しい。

太陽の光を反射するかのような、淡く白めの肌。
風に揺れる、長いピーチブラウンの髪。
見た目は可憐な雰囲気ではあったが、同時にどこか凛とした強さを感じさせるその佇まいは、一瞬にして全員の視線を惹きつけた。



“空に輝く 七色は
天にきらめく 幸せの光
星に願うは 永久の幸せ
月に願うは 君の幸せ

離れていても 心はここに
強き想いの その先に
果てなき祈りが 届く日に
約束の時は 訪れる

愛しき人よ
愛すべき人よ”