ミスティーブルーのきらめき
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サニー号のキッチンには、サンジを除いた全員が集まっていた。
まだ動けない状態ではあるものの、サンジの怪我も順調に回復してきていた。
出港の準備を始める中、全員をキッチンに集めたのはロビンだった。
サンジから詳しい話を訊いたものの、彼の言っている事と、ロビンが調べた情報を照らし合わせると、どうしても辻褄が合わない部分があるのだという。
貰った町の地図を広げ、ロビンは説明を始める。
「彼は買い物している時に、いきなり男達に囲まれたと言っていた。場所は八百屋の近くだったわ」
そう言うと、ロビンはサンジが買い物をした店の場所に印を付ける。
「彼が倒れていたのは、この林で間違いないかしら」
なまえとチョッパーに確認するように訊ね、なまえが頷くと、ロビンはまた印を付ける。
歩いていてはわかりにくいが、改めて地図で見ると、かなりの距離があった。
八百屋は町のど真ん中にある。
時間は昼間。人通りもかなり多かったはずだ。そんな場所で男達に囲まれたなら、誰かが必ず見ているはずなのに、誰一人として目撃者がいないのだ。
おまけに、八百屋からサンジが倒れていた林までの距離を考えれば、誰も見ていない訳がないなど100%に近い確率で有り得ない話だった。
サンジが誰かを庇っている様子も、嘘を言っているような感じも見受けられない。
だからと言って、町の人達が嘘を言っているようにも思えない。
こんな事が有り得るのだろうか。
気味が悪いですね、とブルックが言ったのを皮切りに、次々に不安の声が上がる。
「早めに出航した方がいいかもしれないわ。もしかしたら相手は、まだ彼が生きているとは思っていないかもしれない」
「恨みがあるんなら、出航しても追い掛けてくるだろ。追い掛けて来ねぇんなら、その程度だったって事だ」
それは確かにそうだけど、とゾロの言葉にナミが言葉を返したが、こればかりは憶測であり、何とも言えない。
「サンジさんが無事だった事を相手が知ったらまた何かしてくるかもしれません。ロビンさんの言う通り・・・今出航した方がいいのかもしれません」
ブルックの言葉も確かだった。
「出航しよう」
重苦しい雰囲気の中、ルフィが口を開いた。
「俺だって、本当は見つけてぶっ飛ばしてぇけど・・・ずっと止まってても仕方ねェ。今は、前に進もう」
船長であるルフィが、一番やりきれないのだ。
仲間がこんな状態にされて、悔しくない訳がない。
けれど、立ち止まっていても仕方がない。
納得できない思いもあるが、船長は前へ進むことを選んだ。
いざという時の船長の言葉は、何よりも強い。
「出航しよう」
改めてそう告げたルフィの言葉に、全員が頷いた。