次の島へと到着した麦わらの一味は、昼寝をしているゾロ以外、それぞれの用事を済ませるために次々と船を降りて出発していた。
あまり外に出たがらなかったなまえも、チョッパー、ロビン、フランキーが同行を申し出ると、安心したのか出かけることになった。

そんな中で、ひとり船を降りようとしていたのはサンジだった。
長い航海の旅路において、彼の完璧な栄養管理は、一味の命を預かっているといっても過言ではない。

『サンジ君、ひとりで行くの？』

食料庫をくまなくチェックして必要なものを書き出し、いざ出発しようとしていた彼を呼び止めたのは、なまえだった。

「あぁ、大食い船長のせいで食料庫が空っぽだからな」

とにかく大食いのルフィのおかげで、食料の買い出しはいつも大変だった。

そう、と返事をした彼女の表情は暗い。

「なまえちゃん、どうかした？」

『なんだか・・・嫌な予感がするの・・・』

今日中に買い物を済ませなければならない以上、彼を引き止める訳にはいかないことはわかっていた。
サンジが強いことは、なまえも十分承知の上だ。
しかし、何かはわからないが、何とも言い難い嫌な予感がしていた。
表情が晴れない彼女に、おれなら大丈夫だよ、と優しく声をかけ、船を降りようとする。

『待って。これ・・・着けていって』

船を降りようとしたサンジを呼び止め、彼女が自分の右手に着けていたブレスレットを、サンジの右手に着ける。
それは美しい青色の石ー
サファイアがついたブレスレットだった。

『気を付けてね』

「ありがとな、なまえちゃん」

行ってくるよ、と言って船を降りていったサンジの後ろ姿を、なまえは不安な表情で見つめていた。

その後、フランキーたちとともに、なまえも船を降りて街へと向かった。