ミスティーブルーのきらめき
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「どうなっちょるんじゃあ!!」
<正義>の文字が掲げられた海軍本部。
その大きな会議室に、元帥サカズキの怒号が響き渡った。
そのあまりの怒声の勢いに、集まった海兵たちはびくりと身体を震わせる。
「何じゃ、この新聞の記事は!!」
サカズキが机に叩きつけたのは、今朝の新聞だった。
そこには、
《海軍、民間の島に突然の無差別砲撃》
と大きく見出しに書かれ、海軍の船が島を攻撃している写真が一面を飾っていた。
サカズキはもちろん、大将である黄猿や藤虎、中将、少将も誰一人として指示をした覚えがない。
まさに寝耳に水の出来事だった。
そこにさらに追い討ちをかけるように、その新聞を見た民間人からの抗議の電話が鳴り止まず、海軍本部は総出で対応に追われるはめとなり、大混乱となっていた。
「た、ただいま確認中です。砲撃をしたとされる海軍の巡視船も本部には戻っておらず、行方がわかっておりません。合わせて捜索しております」
これ以上の進展が見込めない返答に、苦い顔をしたサカズキの手の中で握り締められた新聞は紅く燃え上がり、瞬く間に灰となった。
「しかし、ここまで大事にされちゃあ、黙ってる訳にはいかないよねェ~」
「この一件、きちんと真相を明らかにしないことには・・・海軍の信用が落ちることになるのは確かでごぜえやす」
まさに噴火直前の火山のような状態のサカズキの怒りを、黄猿と藤虎の言葉がさらに助長することとなる。
「そんなこと言われなくともわかっちょるわ!こんなふざけた真似をした馬鹿を、さっさとわしの前に引きずり出してこんかい!!」
部屋が揺れるほどの怒鳴り声に、まわりの海兵たちは氷のように固まって動けない。
サカズキの性格を昔から知っているふたりの大将は怯むこともなく、怖いねェ~、といつもの調子でぽつりと呟くと、部屋を後にした。
「・・・どう思う」
そんなやりとりを聞いていたスモーカーは、一言だけそう発した。
「相当な問題よ・・・これは」
あなた以上の問題児ね、としっかり言葉を付け加えて返事を返したのはヒナ。
これだけの数の船を率いて島に攻め込むなど、独断での行動とは思えない。
スモーカーも独断で動くことが多く、それを昔から何かとかばってきたヒナだったが、今回の一件はさすがにレベルが桁違いだった。
「しかも、これだけの船が行方不明なんて・・・」
食い入るように新聞を見ていた部下のたしぎも、このあり得ない不可思議な出来事に困惑していた。
また別の部屋では、おかきを食べながら、複雑な表情で新聞を見ているセンゴクの姿があった。
それを横目で見ているガープの表情も、穏やかなものではない。
言葉こそないが、海軍に長く在籍しているふたりの頭の中に、今や遠い昔に起こった“ある事件”の風景が呼び起こされていた。